慶応院卒エリート「2年目でリストラ部屋行き」を決定づけた“上から目線”
「うちの会社はいわゆる、社長ワンマンな経営スタイルだったんです。だから、当然のようにその取り巻き、部長とかマネージャークラスの管理職はみんなイエスマンで。特に僕が配属された営業部はそれが顕著でした。
そのせいか、部署のメンバーの士気も下がっていて営業成績も落ちてきてたんです。新卒でしたけど、もうすでに自分の仕事だけじゃなくて周りをみて客観的に仕事を進めていたので、そんな周りの様子がすごく嫌でした」
部署の先輩たちへの不満感が膨らんでいくなかで、決定的な事件が起こります。
「ファクトベース」で上司に反論も通用せず
そんな折、部長に呼び出されます。
「部長に、『周りから見ていて、新卒らしくないって噂されてるし、実際に覇気がないように感じるけどお前大丈夫か? やる気あるのか?』って詰められました」
そこで、岡本さんはつい反論をしてしまいます。
「言い返したって言っても、感情的にならないであくまで淡々と。部署のメンバーのモチベーションが下がっていること、ボード陣にイエスマンしかいなくてみんな嫌気がさしていること、事業計画を建てられてなくて仕事をしづらいこととか、溜まった不満を一通り話しました」
あくまで「ファクトベースで話した」という岡本さん。上司からの反応は意外なものでした。
「部長も図星だったみたいで、それこそ『オウフ……』って感じで。注意しにきた新卒に面食らったんでしょうね。結局、何もその後は言ってこなかったです。正直、気分良かったですね(笑)」
部署を短期間でたらい回しに
部長を論破してしまった事件以外にも、部署内で小さなバトルを繰り返していたという岡本さん。ついに怒涛の部署たらい回しが始まります。
「論破事件のせいか、最初に配属された営業部も1か月ちょっとで移動になって、今度はマーケティング部に移動になりました。そこも3か月くらいで、今度は商品企画部に移動。それぞれの部署は他部署との関係も多くて、やっぱり同じようにめんどくさい奴に思われちゃってたみたいで。
メンターも誰もついてくれず、一人で仕事してました。それでも、商品企画部は半年くらいは続いたんですかね、でもそれもまた部署移動の内示が出て。今度はまた、営業部に配属になりました。気持ち的には一周回って振り出しに戻るって感じでした(笑)」
さんざん部署をたらい回しにされた岡本さん。しかし、ある日、チャンスが訪れたそうです。
「別にどこの部署でも業務自体はそつなくこなしていたと思うんですけど、話やノリを合わせるのもダルいとしか思えなくて。そんななかで、今度、会社で新しい事業を行うから部署を設立するっていう話が出て、僕がその部署に2年目でいきなりアサインされたんです」
まさかの抜擢に「なんだかんだ仕事は評価されてたのかなって」と喜ぶ岡本さんでしたが……。