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「今の格差はエグい状態」森永卓郎の息子が語る、若者のキャリア設計

学び

 20代後半は、誰もが自身のキャリアについて悩む時期。このまま会社にいていいのか、転職して新たな知見を獲得したほうがいいのか……。答えはひとそれぞれですが、重要なのは自分の歩むキャリアをどのように決定するかです。

森永康平氏

経済アナリストの森永康平氏

 前回は「20代ではじめての資産形成」について聞きましたが、若いころからチャンスを掴むべく、転職や起業などの経験を重ね、自分だけのキャリアを築いてきた経済アナリストの森永康平氏に、若者が意識するべきキャリア論を聞きました。

年収300万時代を下回る時代が来る

――先日、20代の年収の低さを嘆く投稿が、SNSでバズってました。2000年頃にお父様(森永卓郎氏)が著書で提唱された「年収300万円時代」を現実が下回っている状況です。

森永康平(以下、森永):すごく残酷な世界になっていると感じます。日本が貧しい国になりつつあるのは間違いないです。一方で、若者全員が一斉に地盤沈下しているかというと、そうは思ってません。稼いでいる20代に関しては、30年前の20代と比較にならないくらい稼いでいる。だから、とんでもない格差が広がっているという認識です。

――どれくらいの格差があるのでしょうか。

森永:たとえば20~30年前の格差って、「上はすごくいい会社に入って20代で年収1000万円、下は年収300万円」みたいな感じでした。今の格差は月収10万円以下のワーキングプアがいる一方で、20代でネットを駆使して1か月で何百万、何千万円と稼ぐ人もいる。考えようによっては、稼げる人はめちゃくちゃ稼げる時代で、何もできない人は貧しくなる一方というエグい状態です。

「いかに増やすか」より「いかに稼ぐか」

お金

※イメージです

――格差を解消する手はないのでしょうか。

森永:僕もマネーリテラシー向上のための活動をしていますが、それだけでは駄目で、まずはいかに稼ぐか、どうやって稼ぐかという知恵と行動力が必要だと感じています。運用は元となる原資があっての話なので、それこそ月20万円稼いでない人が無理してiDeCoやNISAをはじめても、生活が苦しくなるだけです。

 そう考えると、「いかに増やすか」の前段階として、「いかに稼ぐか」が来るべきだと思います。

――どのように稼ぐべきと考えますか?

森永:別にこれをやりなさいという話ではないですが、僕の知り合いでスマホひとつで稼ぐ人がいます。

 匿名の人格をツイッターで複数運用して、「この人格は有料noteを売りやすい人格」「この人格はオンラインサロンに誘導しやすい」といった具合に使い分けていくと、それこそ家にいながら、スマホひとつでお金を稼いでいける。ある程度稼げるようになったら、アカウントの運用すら外注してしまう。実際に私の知人の話です。

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