東武鉄道、日比谷線直通〈THライナー〉 70090型に乗ってみた
進化したマルチシート
インテリアの化粧板や床、シートモケットなどは70000系に準じており、明るく清潔な雰囲気を踏襲しているほか、機器類などは引き続き東京メトロ13000系に合わせている。
50090系以来の採用となったマルチシートは、居住性の向上を図るため、後述のロングシートともども、すべてハイバック式である。着座幅は450ミリ。中央に可動式のひじ掛け、背面にカップホルダーと荷物フック、その下に〈THライナー〉運行時のみ使用できるコンセントを設けた。500系リバティ(特急形電車)に比べ簡素ながら、それなりに充実した設備を有している。
座席上の荷棚には、回転式クロスシート設定時、乗客の頭がぶつからないよう、枠の一部をイノベーションレッドに着色することで注意喚起を図っている。座席の設定作業は乗務員室で行なうため、70090型独自の機器類として、L/C電源装置(自動転換に必要な電源を供給するための装置)、座席制御盤が搭載された。
優先席とフリースペース
車端部のロングシートはすべて優先席で、着座幅は460ミリ。1人分の席と席のあいだに固定式のひじかけが装備された。背もたれの上に〈THライナー〉運行時のみ使用できるコンセントを設けた。
フリースペース(車椅子&ベビーカー用)は各車両1か所にあり、70000系と同様に、パネルヒーターやクッションパネルを設けたほか、〈THライナー〉運行時のみ使用できるコンセントを設けた。午前運転の〈THライナー〉久喜発恵比寿行きは、日比谷線霞ケ関から乗車券のみで乗車できるため、短時間ながら携帯電話などの充電が気軽にできるだろう。
このほか、70000系及び13000系の登場時、車内の防犯カメラは準備工事にとどめていたが、70090型では当初より搭載された。また、通信サービスもWiMAXに加え、TOBU FREE Wi-Fiも提供され、ネットワーク環境の充実を図っている。