東武鉄道、日比谷線直通〈THライナー〉 70090型に乗ってみた
東武鉄道は、伊勢崎線と東京メトロ日比谷線を結ぶ座席指定列車〈THライナー〉用として、2019年12月に70090型簡易優等車両を導入した。
東上線〈TJライナー〉用の50090系と同様に、マルチシート(回転式クロスシートとロングシートの両方を設定できる座席)を装備することで、有料列車と一般列車の両方にソツなくこなせるのが特徴だ。2020年3月20日に各駅停車でデビューしたあと、6月6日から花形列車〈THライナー〉の運用に就いている。
スピード感を強調したエクステリア
2017年に登場した70000系はアルミの無塗装車体で、イノベーションレッド、ピュアブラックをベースに、日比谷線ラインカラーのシルバーをアクセントカラーとして用いられている。70090型はこの3色を踏襲しつつ、ピュアブラックを強調することで引き締まったデザインとなった。
前面はフロントガラス周囲のブラックマスクを拡大したほか、灯具ケースのデザインも変更された。歌舞伎役者のようなイデタチとなり、“鋭さ”を強調したように映る(特に側面)。
車体側面は70000系の明るい雰囲気から落ち着いた雰囲気となり、スピード感を強調。スラッシュラインを採り入れることで、ライナー仕様車としての上質感を演出した。帯は√(ルート)っぽいデザインとなり、ピュアブラックを上部に配することで、〈THライナー〉の乗車口を暗に示す(注:座席指定区間外はすべての乗降用ドアが開く)。
各車両の車体側面に70090型の外観をモチーフとしたロゴが貼付された。マルチシート車両を示す「9」(90番代の車両)をイノベーションレッドで配色し、疾走感と親しみを感じさせる新しいライナー仕様の車両であることを表現したという。