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ワークマン、コロナ下でも絶好調なのには納得の理由が

ビジネス

カジュアルウェアの売り上げが増加

PB商品売上高構成比

徐々に上昇するカジュアルウェアの比率(図版/筆者作成)

 次に客数と客単価が、どちらも上昇している背景をみていきましょう。商品カテゴリ別の販売比率を見てみます。

 過去と比較しても大きく内訳が変動しているわけではないものの、一般的にイメージされるプロ向けの商品を販売しているワークマンのイメージとは異なり、徐々にではあるもののカジュアルウェアの売上高が全体に占める比率が上昇してきていることが読み取れます。

 カジュアルウェアは2017年3月期では11%を占めていたのに対し、2020年3月期では13%を占めています。昔と比べて今ではカジュアルウェアの売上も徐々に増やしています。

 プロではない一般消費者層の需要獲得の取り組みは、近年の店舗出店計画にも如実に表れています。2020年3月期はこれまでの「ワークマン」ではなく「ワークマンプラス」という店舗名での出店や改装強化をすすめました。

急拡大する「ワークマンプラス」

 その結果、2019年3月期には12店舗しか存在していなかった「ワークマンプラス」の店舗は、2020年3月期には175店舗へと急拡大しています。「ワークマンプラス」では、「お客様が『驚く』PB商品開発」「女性衣料の強化」を掲げており、幅広い消費者を取り込むための活動を進めています。

 さらに、“アンバサダー”を活用したSNSでの情報発信も強化。SNSで発信力の高い人間を総勢25人起用しており、2020年末までに50人に増やす計画をしています。また、これらSNSの強化では、単にSNS上での情報発信にとどまらず、SNSと連動したコーディネート重視の売り場づくりを図っています。

 昔はプロ向けの商品を中心としていたワークマンですが、今では新業態の「ワークマンプラス」の店舗拡大や、SNS・インフルエンサーの活用により一般消費者層の取り込みを目指していることが分かります。

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