しびれを切らした2人の怒りの矛先は…

　しばらく2人を指導をしてきた近藤さんでしたが、Nさんも、Yさんも「自分が正しい」と主張を続け、何も改善されないままの日々が続きました。そんな状況にしびれを切らしたのか、徐々に2人の怒りの矛先は近藤さんへ向いてしまうのです。

「LINEでもそうですし、一緒に働いているときも2人から強く当たられるようになってしまって……。仕事に関することでも、僕の話を聞いてくれない状態になってしまったんです。周囲の従業員もそれに気づき始めて、職場の空気が悪くなり始めてしまいました」

　そんな日々に疲れ切っていると、突然近藤さんのもとに上司から連絡が入りました。なんと、他の従業員の1人がこの状況を見かねて、上司に直接報告をしたというのです。上司からは現在の状況などを詳しく聞かれ「LINEでの愚痴は無視していい」と指示されました。

上司にバレた結果、2人の行方

　上司は近藤さんと話した後、YさんとNさんそれぞれから話を聞き、2人をきつく注意してくれました。そして、これ以上2人のことで他人に迷惑をかけるなら、仕事を辞めてもらうという宣言までしたのです。

「上司には『ここまでになる前に何かしらの対策ができたはずだ』とお叱りを受けました。確かにそのとおりだったと思います。女性だからというところに固執しすぎてしまい、強く出られなかった僕のミスです」

　その後、Yさんはしばらく仕事を休み、そのまま退社。Nさんは出勤を継続していますが、従業員内に悪い噂が広がり、居づらい状況の中働いているそう。この件があってから、近藤さんは職場内でのLINE使用を禁止し、直接コミュニケーションを取ることで、従業員の不満や不安をすぐに汲み取れるよう努力しているとのことでした。

＜TEXT／つる＞