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経営者とうまく付き合う方法。花王がモデルの実名小説にヒントが

ビジネス

経営を成り立たせる要素のひとつ

 経営を成り立たせる力は伝統や合理性に取って代わられる。そのため、たとえカリスマ経営者と意気投合していても、会社に官僚制化の流れが来た途端に、カリスマ経営者もろとも自分も追放されるかもしれない。

 こうした事態を乗り越えていくには、「カリスマ経営者その人」とのつきあい方を考えるのではなく、「カリスマ経営者という現象一般」とのつきあい方を考える必要がある。

 だから、カリスマ経営者とつきあっていくには、このカリスマが創業期や再建期(第二の創業期)において必須であること、やがてカリスマ不要の時期が来ること、を知っておく必要がある。

 朝令暮改や一見気まぐれに見える行動を、こうして一歩引いた目で理解するよう努めることが、カリスマ経営者とうまく付き合う方法である。『男たちの経営』は、そんなことを我々に教えてくれる。

<TEXT/岩尾俊兵>

慶應義塾大学商学部准教授。平成元年佐賀県生まれ、東京大学大学院経済学研究科マネジメント専攻博士課程修了、東京大学史上初の博士(経営学)を授与され、2021年より現職。第37回組織学会高宮賞著書部門、第22回日本生産管理学会賞理論書部門、第36回組織学会高宮賞論文部門受賞。近刊に『日本“式”経営の逆襲』(日本経済新聞出版) Twitter:@iwaoshumpei

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