慶応に入学した卒業生も

真剣な面持ちでセミナーに参加する塾生たち

――まずは知識やリテラシーを向上させると。

橋本：そうです。一定の基礎が整ったら、実際にビジネスを体験してもらう実践に移行します。基本的には、個人向けの営業と法人向けの営業をやる2種類のコースを用意していて、通信会社さんからいただいた案件がある時などは、受講生のみなさんにテレマーケティングやアポ取りなどをやってもらうこともあります。

――ヤンキーインターンを巣立って行った方々の就職先というのは？

橋本：やはり半数以上は営業関係の仕事に就いていますが、企画系やマーケティングの道に進んだ人もしますし、大手企業でビッグデータの解析を行うデータアナリストのような専門職に就いている人もいます。あと驚いてしまう特殊なケースとしては、ヤンキーインターンを卒業してから慶應義塾大学に入学しちゃった人もいました。

目先の利益は求めていない

卒業式では思わず感極まる塾生の姿も

――少しグレてて学歴がなくても、ヤンキーインターンがきっかけで眠っていた能力を覚醒させる人もいるんですね。

橋本：偏差値の高い優秀な大学には素晴らしい価値が当然あると思いますが、一方で現在は全入学時代でもあります。このインターンでたくさんの受講生を見てきた僕としては、大卒も高卒も、学力の差はあるとはいえ、実はそこまでの能力的格差はないように感じているんですよね

――今後の展開があれば教えてください。

橋本：今のところ、この事業で新たな展開は考えていません。僕らは単に目先の利益を求めているのではなくて、エシカルカンパニー（倫理的企業）として、こうした格差是正の活動を世の中に認知してもらいたいというのが目標です。

　だから受講生のみなさんは、ヤンキーインターンの校舎の壁に掲げられた「Choose Your Life（自分の人生を選択しよう）」という言葉を信じて、これからも頑張ってもらいたいですね。

＜TEXT／永田明輝＞