新型コロナで「倒産ギリギリな会社」も。就活イベント会社の悲鳴
2019年末から世間を騒がせている新型コロナウイルス。1月16日に初めて日本国内で発症者が現れてからの騒動は、日々の報道でご存知のところでしょう。
その猛威は「もはや新型コロナの影響を受けない業界はない」というほど。なかでも、特に打撃を受けているのがイベント業界です。
政府は2月17日に「不要不急の集まりを避けてもらいたい」と発表。26日には「全国的なスポーツ、文化イベントについて、今後2週間は中止や延期、規模縮小などの対応をしてほしい」と要請。
不測の中止・延期によってどんな影響が出ているのか、就活イベントを行なう株式会社サポーターズの楓 博光さんにお話を伺いました。
1000人規模のイベントも延期に
「弊社は人材系のベンチャー企業で、端的に言えば学生と企業をつなぐのが仕事です。2~3月はほぼ毎週就活イベントを開催する予定でしたが、2月中は4件のイベントを中止。3月は1000人規模の『技育祭(ぎいくさい)』は延期しますが、それ以外はオンラインに切り替えたり、新たなオンラインイベントを企画したりしています」
実際の損害としては、どんなものがありますか?
「金銭的な損害は、参加学生の交通費や宿泊費の補填費用、そして作成物・外注費のキャンセル料などです。
弊社のイベントでは参加学生に交通費や宿泊費を支給しており、その費用は企業のイベント参加費・協賛費の中から充てています。しかし、今回の延期・中止によって、学生から『宿泊キャンセル料が発生してしまう』という問い合わせなどがあり、当社負担で補填するという対応をしています。金額はまだ集計中です。
唯一の救いは、会場が弊社オフィスだったので、会場キャンセル料が発生しないこと。これで場所代も上乗せされていたら、相当な損失になっていたと思います」
「ピンチはチャンス」と前向きな思いも
精神面での影響はいかがでしょう。
「準備してきたものが中止・延期になると、やはりガッカリしますね。アメリカで5月に開催予定だった『Google I/O』(Googleが開催する開発者向け会議)も中止になったので、5月になってもできないのではと不安になることもあります。
ですが、クライアントからの『延期になった分、もっといいものを一緒に作りましょう』といった温かい言葉に勇気付けられながら、社員が一丸となって『ピンチはチャンス』と思っていろいろ調整しています」