ブラック企業の飲み会「残飯処理、服をビリビリに」それでも会社を辞めない理由
新型コロナウィルスの流行に伴い、リモートワークや時差出勤が推奨され、多くの企業で働き方の見直しが行われる今日この頃。一方で、理由がどうであれ仕事を休めない、早朝出勤・深夜残業は当たり前といったブラック企業も存在します。
某証券会社に勤めるタケダさん(仮名・25歳・男性)に、大学生である筆者が普段のOB訪問では聞けない質問をぶつけてみました。
「会社をブラックだと思ったことはほとんどないです」と話す彼ですが、どこか浮かない様子。もう少し踏み込んでみると「仕事外での理不尽な扱いが多いです」とのこと。いったいどんな仕打ちが……。
「上司を楽しませる」ハードな飲み会
タケダさんの会社はとても飲み会にこだわる会社だといいます。
「ここ最近はコロナ騒ぎで飲み会は自粛傾向ですが、普段は忘年会はもちろん、部のちょっとした飲み会も、若手が幹事を任されます。飲み会がつまらないとその場でダメ出しされ、嫌なムードになるので数週間前から入念に準備します。
ムービー制作やレクリエーションの用意は当たり前。しかも、上司がいるときに準備をしていると怒られるので準備をするのは上司がいない早朝、夜遅くになります」
ただでさえ忙しい仕事の合間に、「自分はいったい何をやっているんだろう」と思うことも多いといいます。
「準備から飲み会が終わるまで気が休まることはないので、飲み会は仕事よりも大変で、気軽に上司に『飲みに行きましょう』なんて言えません。それに、飲み会だけでなくランチも気軽に誘えません」
初めてのランチで驚愕「これって奉公?」
入社してから間もない頃、軽い気持ちで付いていった初めてのランチでタケダさんは衝撃を受けたそうです。
「礼儀作法をこれでもかというくらい叩き込まれました。普通、会社の人とのランチでそこまでする? というような、食事の作法やお会計の仕方はまるで『奉公』でした」
さらに驚愕した“若手ルール”も……。
「なんと、若手は自分でメニューを選べないんです。上司がメニューを見るや否や『お前はこれ食べろ』と言うんです。お金は出してくれるのですが、頼む量も多く、残せないのできつかったです。
自分みたいな入社したての若手は、卓上に残ったものもすべて食べさせられるので、尚更でした。今ではロボットのようにこなすようになりましたが、まったく楽しくないですね(笑)」