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確定申告で発覚した「勤務先のウソ」。契約社員と言われていたのに…

学び

社会保険も労働保険も出ない…

「大学時代に複数のアルバイトは経験していたものの、会社で働くのは初めてだったので、契約時に雇用に関する質問ができなかったのも問題でした。まさに、『分からないことが、分からない』という状態だったんです。

 働いてみて、まず納得がいかなかったのが、残業代が出ないこと。他の編集部員も『残業が出ないのが当たり前』という態度だったので、言い出すこともできない雰囲気でした。

 次に社会保険も労働保険も出ないことに疑問を抱きました。先輩に聞いても『しょうがない。そんなもんだ』といった返事で、参考になりません。最低限のことはしておこうと思い、国民保険・国民年金の手続きだけはしました」

確定申告で気付いた事実

驚く女性

 残業代も保険もないのは、相当なブラック度ですね。その後、改善されたのでしょうか。

「いえ。それが、初めての確定申告で『契約社員』ではないことを知ったのです。経理として働く知人に支払調書などを渡して雛形を作ってもらった時に『項目が給与じゃなくて原稿料になってるから、友美ちゃんは雇用されてないよ』と言われて発覚しました。

 そもそも、年末調整がない時点でおかしかったのですが、知識がなさすぎてそれにも気付かなかったんです」

 確かに明細の見方なんて教えてもらいませんしね。

「はい。でも、そこで今までの不満や疑問にも納得がいきました。雇用されている訳ではなく、いわゆる『業務委託』だから、保証も手当もないんだと。ダマされた感は否めませんでしたが、編集長も雇用形態に疎い人だったので、悪気があった訳ではないと思うと、その怒りも行き場がなくて……」

 編集長が気づいていないにせよ、勤務先は雇用形態を把握していたはず。かなり悪質な手口です。

「副業はNGだと思い、薄給で1年間切り詰めた生活をしていたので、業務委託扱いだと分かってからは、フリーランスとして他媒体での編集・執筆業を探し始めました」

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