数か月休みゼロ、食事はロケ弁…弱小芸能マネージャーの「残酷物語」
「芸能事務所」と聞くと、華やかな世界を想像する方も多いのではないでしょうか。しかしその実態は激務そのもの。ましてや大手はまだしも、小さな芸能事務所になると、過酷さは計り知れないものがあるそうです。
スタッフ6名の芸能事務所に勤めて4年になる山岡敏朗(仮名・28歳)さんは、自身の会社について嘆きます。
休みがないから夜中に洗濯するしかない
「まず労働時間が長い上に休日がないんです。2~3か月の間、1日も休んでいない芸能マネージャーなんて業界にゴロゴロいますし、僕も丸1日の休みが半年なかったこともありました。
もちろん残業代もつかないし、休日手当もないです。休みがないと問題になるのが洗濯。芸能マネージャーは浴室乾燥が完備された部屋に住むのが必須です。どんなに狭いアパートでもそこだけは譲れません。なぜなら夜中に洗濯して浴室で乾燥しながら寝て、朝また着る。これがルーティーンですから」
当然のように疲れは蓄積しますが、万全の状態でないとタレントの送迎にも支障をきたしてしまうそうで……。
「移動中、タレントは寝てる間に現場に着きますけど、僕は慢性的に疲労困憊なので、事故を起こさないか毎日ヒヤヒヤですよ。大手の芸能事務所だとプロの送迎ドライバーが別にいたりしますけど、あくまでごくごく一部の話です」
「バカヤロウ、マネージャーは立ってるもんだ」
マネージャーが運転する車が事故を引き起こしたら大変な事態ですよね。どうにか改善の余地はないのでしょうか。
「ないですね。現場につくマネージャーは本当に過酷です。この業界に入って1番驚いたのは、マネージャーも現場中は立ってなといけないんですよ。入社してすぐのとき、撮影現場に行った際、椅子に座ろうとしたら、一緒にいた先輩マネージャーに怒られました。
『バカヤロウ、マネージャーは立ってるもんだ』って。それからというもの慣例だかなんだか知りませんけど、現場ではずっと立つようにしています。寝不足でも、休んでなくても、ずっと直立不動。これは結構辛いですよ」
そこまで働きづめだと、給料もそれなりにもらっているのでしょうか。山岡さんは軽いため息をついて話を続けます。