「みんな抗うつ剤飲んでるから…」超ブラック企業の上司に言われた衝撃の一言
職場環境の改善が叫ばれる一方で、いまだに聞こえてくるのが“ブラック企業”に苦しむ声の数々。とんでもない経営者や上司から受けた仕打ちに耐えきれなくなった人びとの声は、酒のつまみにもならないほど悲痛なものばかりです。
出版業界で働く女性・籠原さん(仮名・30歳)は、社会人デビューでブラック企業という“貧乏クジ”を引いてしまった一人。社会人になりたての頃に味わった「今ではもう振り返りたくありません」というエピソードを、沈痛な面持ちで明かしてくれました。
入社初日。寝袋で雑魚寝する社員たち
籠原さんが入社したのは、出版社から制作物を請け負う編集プロダクションでした。厳しい面接を突破し、ようやく迎えた入社初日。その時点からすでによからぬ光景が広がっていたといいます。
「初日は『始業時間の10時に来てくれ』と言われたので会社の扉を開けたら、社員たちが寝袋でぐっすり眠っている姿が目に飛び込んできました。とはいえ、憧れていた世界に入れたし、忙しい業界なのは覚悟していたので、その後もしばらく勤務を続けていました」
出版業界が「忙しい」というのは、かねてからよく言われることです。しかし、度が過ぎるほどの劣悪な環境に、籠原さんも異変に気づきます。
「思い返せばキリがないのですが、例えば、その会社では終業時間の19時になると社員がいっせいにタイムカードを切り、また席に戻って仕事を続けるのが当たり前だったんです。残業代なんてもちろん出ません。スタッフの入れ替わりも激しくて、20人規模の会社だったのに、私がいた半年間で覚えている限りでも10人は辞めていました」
「みんな抗うつ剤飲んでるから大丈夫」
わずか半年で退職を決意したという籠原さん。そこへ至るまでには、人の心をふみにじるような経営者の言葉と、それを受けてすっかり思考停止した上司の存在があったと話します。
「日頃から経営者の暴言がひどく、他の女性社員が『生理的に君のことを受け付けないから直接話しかけないでくれ』と言われていたのも目にしました。自分もだんだんと耐え切れなくなり病院で“うつ病”の診断をもらったので上司に相談したところ、その人から『半数以上は抗うつ剤を飲みながら仕事してるので大丈夫』と言われてしまい……。正直、何が大丈夫なのか分からなくなってしまったので退職しました」