西武鉄道、ライオンズ選手とコラボ。“48席限定”の特別列車ツアーに
延長戦で特大満塁ホームラン級のサプライズ
13時08分、『52席の至福』が発車。走行中、西武社員のひとりがマイクを握る。
「社員の中に、あさって(2019年12月)29日に誕生日を迎える方がいらっしゃいます。(中略)標晃央(しめぎあきひさ)さんです。ささやかながら、お祝いの場を設けさせていただきました」
ベンチの空気が底抜けに明るくなる。2日後、西武鉄道 鉄道本部運輸部 スマイル&スマイル室 旅客誘致企画担当の標晃央主任が35歳(1984年生まれ)のバースデー。さらに年明けの2020年には年男を迎える。
「会社入って16年たったんですけど、“いい会社だな”と思いました。ありがとうございました」
標主任が喜びを爆発させ、社員一同がハッピーバースデーを歌い祝福。さらに同僚の女性からバースデーケーキのプレゼント。サプライズが2度も続き、まるで会心の特大満塁ホームランを放ったかのような最高の笑顔を見せた。
練馬から豊島線に入り、13時17分、終点豊島園1番線に到着した。
2020年、松坂大輔投手がライオンズ復帰
到着後、ホーム上で囲み取材が行なわれた。栗山選手にシーズンオフの鉄道利用についてきいたところ、「何年かに1回ぐらい」だという。『52席の至福』はもちろん初乗車だ。日常生活はクルマ移動が中心らしい。
そして、2020年シーズンは松坂投手が14年ぶりにライオンズ復帰。注目を集めるとともに、ファンにとっては“パリーグ3連覇の請負人”としての期待も大きいだろう。松坂投手についてもお伺いした。
「僕たちにとっては、あこがれのスーパースターなので、“松坂さんとしっかりあいさつをして、コミュニケーションをとりたい”と思っています」
囲み取材終了後、フォトセッション。某カメラマンの連写音がサクレツし、スタッフらの心に突き刺さったようだ。
13時35分、ゲームセット。2時間33分にわたる楽しい集いは、メディアらも含め、参加者全員の心に深く刻み込まれたであろう。2020年のライオンズ3連覇に期待するとともに、「2020年こそ、巨人-西武の日本シリーズが見たい」というのが私の願いである。
【取材協力:西武鉄道】
<取材・文・撮影/岸田法眼>