西武鉄道、ライオンズ選手とコラボ。“48席限定”の特別列車ツアーに
“はじめての車内放送”に盛大な拍手
1番ホームは、惜しくも当選とはならなかったライオンズファンらしき人々に見送られ、11時02分、プレイボール。JR東日本をまたぐと、埼京線の快速新木場行きが通過してゆく。
『52席の至福』は先行列車に接近しないよう、ゆっくり走る。“観客に最高の旅を”というような感じだ。
「みなさん、おはようございます。(中略)今日は、皆様に楽しんでもらえるように、精一杯やりますんで、あたたかい対応をよろしくお願いします。以上です」
東長崎を通過してしばらくたつと、栗山選手のごあいさつ。ベンチとロッカールームの仕切りドアが閉まっていたので表情はわからないが、聞く限り、緊張しながら、“はじめての車内放送”に臨んだようである。終わったあと、隣の2号車では盛大な拍手が鳴り響いた。
栗山選手と一部のメディアは4号車へ。残りのメディアは2号車を取材する。野球のイニングに例えると、4号車はオモテ(先攻)、2号車はウラ(後攻)といったところ。
メディアは十数人参加し、私を含めた鉄道メディアは3人。いずれも2号車を取材する。待機という状態なので、ほかのメディアや西武広報と談笑しながら過ごす。ロッカールームは不在なので、すれ違う電車を撮影するなど、鉄道メディアにとっては有意義な待ち時間のようだ。
保谷で時間調整なのか、1分運転停車したあと発車。3駅先の清瀬でも運転停車。今度は快速急行〈Fライナー〉小手指行きの通過待ちを行ない、現役終盤、引退へのカウントダウンが始まった東京メトロ7000系が悠然と駆け抜けていった。2020年1月には後釜の17000系が“入団”し、2020年度にデビューの予定だ。
予定より早くオモテからウラへ
スタッフがベンチに戻ると、思わぬ誤算に見舞われる。サイン会は1人90秒に設定していたが、ほとんどの人が45秒で済ませちゃったという。その後、栗山選手がロッカールームに戻り、休憩。“後攻”のメディアは、予定を早めて2号車へ向かう。
『52席の至福』は西所沢から狭山線に入り、まもなく西武球場前が近づく。
11時46分、定刻より2分遅れで6番ホームへ。タイミングよく栗山選手が再び2号車に姿を現し、イベントがスタート。栗山選手と観客のハイタッチから始まり、スタンドは歓喜に包まれる。
一方、4号車の観客の多くは、ホームを歩く。停車時間は24分とっており、トイレ休憩に充てている。本拠地(西武ドーム)の最寄り駅なのに、本拠地へ向かわないという、ライオンズファンにとっては珍しい展開だろう。