アイボ、電気自動車…ソニーが目指す「ロボと人間が共生する」世界
テクノロジーが急速に発展する世の中。近い将来、ロボットと人間が共生する世界がやってくるかもしれない。
そんな中、ソニー株式会社のクリエイティブセンターが、ロボティクスと人間の関係性や新たな可能性を示した「#012 Affinity in Autonomy <共生するロボティクス>」と題する体験型展示を「Ginza Sony Park(銀座ソニーパーク)」にて開催(2019年12月14日より2020年1月13日まで)。
人間とロボティクスが共生する社会のあり方について提案した同展示では「人間とロボティクスが心を通わせる」体験を通して、近未来を伺い知ることができる。ディレクションを担当したソニー株式会社 クリエイティブディレクターの石井大輔氏に、同社が目指す「ロボティクスと共生」の世界観について話を伺った。
ロボティクスを象徴する「アイボ」
ソニーを象徴するロボティクスと言えば、1999年に発売した家庭向けエンタテインメントロボット「AIBO(アイボ、現名称はaibo)」がまず浮かぶ。インターネット黎明期であった当時、最高峰技術により商品化された世界初の家庭用エンタテインメントロボットは一世を風靡した。
「aiboは2018年、12年ぶりに復活しました。当時と違うのはクラウドと連携したAIや最先端のセンシング技術を搭載し、顔認識機能によって人の顔をより正確に覚えたり、自分のいる空間を認識できたりすることができる点などです。また、スマートフォンと同様、通信機能によって常に最新のシステムアップデートが可能になっています」(石井氏、以下同)
AIBOを発表した年から20年目の節目でもある2019年、改めて人間とロボティクスとの共生を考え直し、新しいロボティクスのあり方を提案しようと企画、実現したものが「#012 Affinity in Autonomy <共生するロボティクス>」だった。
ロボットが人間に歩み寄る世界に
「ロボット自らが周囲を認識して、行動を起こす。このような世界観を表現したかった」と、石井氏は語る。
人間同士でのコミュニケーションでは、指示されて動くことのほかに、お互いが歩み寄って対話することは、日常的に行われている。しかし、ロボットがこれを行うことは困難だった。
「センシングデバイスの開発が進んだことに加え、AI技術の進化によりで、人間が指示を出してロボットを動かすのではなく、ロボット側から人間に働きかけることが可能になると思います」