中国発「新型肺炎」の感染をどう防ぐか?8つの疑問に医師が回答
5. 感染を防ぐにはどうしたらいいか?
今回のコロナウイルス感染症に関しては、ワクチンがなく、抗ウイルス薬もないので、注意が必要です。まだ正式な発表はありませんが、飛沫感染と想像します。したがって、予防には、マスク(四角いマスクよりもN95がベター)が効果的でしょう。
また、この感染症が日本でも複数確認できるようになった時は、マスク着用だけでなく、人混みに行かない、不用意な外出を避けるなども効果はあると思われます。
感染した場合は、安静にしたうえで体力の回復を待ち、熱やせきなどの症状を和らげていく「対症療法」が中心となります。重症化して呼吸不全になった場合、人工呼吸器などを使い、呼吸の管理が大切になりますが、過度な心配は不要です。
6. 海外渡航は問題ないか?
よほどの理由がない限り、武漢市をはじめ、流行が確認されている地域に行くことは控えることが無難と思われます。企業側も出張などで社員を行かせることは控えたほうがいいでしょう。
※ 編集部注:外務省は1月24日、新型コロナウイルスが多発している武漢を含む中国湖北省に対し、感染症危険情報の4段階のうち、2番目に危険度の高いレベル3の「渡航中止勧告」に引き上げた。
7. 企業はどのような判断をすべきか?
信頼できる情報に基づき、会社として判断しましょう。会社として対策をとったり、社員たちや関連会社に情報提供や指示をすることもあると思います。
ネットニュースは刻々と内容が変わります。しかし、その信憑性がどこまで本当かわかるのは後になってからです。デマ情報や噂レベルのものに惑わされないことが大切です。
会社として対応をする場合、ぜひ信頼できる情報源からの情報を確認し、判断しましょう。私が産業医としてクライエントにお伝えしている信頼できる情報源は、厚生労働省、WHO、CDCと今回はお伝えしています。