大ヒット「パン好きの牛乳」開発秘話。意外に食べ合わせ抜群なパンは…
食べ合わせ抜群なのはどのパン?
そこから徐々に支持を拡大し、2019年末時点でイトーヨーカ堂、明治屋、紀ノ国屋などの大手スーパーでも販売がスタート。ちなみに、青山パン祭りで知り合ったバリスタとの出会いが「パン好きのカフェオレ」誕生のきっかけだったという。
「バリスタの方が、たまたま『パン好きの牛乳』で作ったカフェオレがめちゃくちゃ美味しかったんです。そこからできたての味わいを再現できるよう、バリスタのもとを何度も訪れ、牛乳とコーヒーの配合バランスなどを研究しました。
『パン好きの牛乳』はすっきりした後味があんの甘さを引き立てるアンパンや、カレーの風味を活かすカレーパンに合いますが、『パン好きのカフェオレ』はバター感の強いクロワッサンとの組み合わせがおすすめです」
1か月で600本も売れるお店も
徐々に消費者の信頼も獲得し、評判になっていった。「パン好きの牛乳」は、とあるベーカリーショップでは1か月で600本も売れるという。カネカは、乳製品事業への参入で5年後に売上高200億円を目指している。
「メーカーと生産者、消費者を巻き込んだプラットフォームづくり、酪農家さんを継続的に支援するためにしっかりとした事業に育てていきたい。牛乳やカフェオレ以外にもバター、ヨーグルトといった乳製品も発売していますが、商品数は今後も拡大していく予定です。
牛乳といえばこれまで子供とファミリー層が主でしたが、『パン好きの牛乳』は若い女性やDINKS世代を取り込んでいきたい。いずれはパンと言ったら、定番のドリンクになってほしいですね」
<取材・文・撮影/シルバー井荻>