いきなりステーキ、“お願い文”でも危うい経営は「転落企業の典型」だった
借入金を返済するために、新たに大量の株式発行を目論む
ペッパーフードは、2019年12月27日に新株予約権の発行を行います。これを有する者が行使すれば、既存株式ではない新しい株式を入手することができるという権利です。
なお、ペッパーフードはこの新株予約権の発行により資金が調達できた場合は、約50億円を借入金の返済にあて、約14億円を広告宣伝費などに充当することを予定しています。
すなわち、この新株予約権の発行は、借入返済が主目的であることが読み取れます。この他の使途として「自己資本の拡充による財務健全性の向上を企図した借入金の返済、新規出店のための設備投資資金、事業構造改善に係る運転資金、集客力向上及び顧客利便性向上に資するシステム投資に係る運転資金、ブランド力及び集客力の向上に資する広告宣伝費に係る運転資金、店舗修繕のための設備投資資金に充当することを目的」と発表しています。
2019年の1年間で、現金が枯渇し、大規模な借入で延命を行い、その返済のために新株予約権を発行し、依然経営が綱渡り状態であるペッパーフードの、今後の経営かじ取りが注目されます。
※記事に関連するいかなる損失(株式売買などにより生じる損失を含む)について筆者は一切責任を負いません。
<TEXT/小森ほうめい>