キングコング、非テレビスターのままブレイクするまで
“らしさ”が炸裂!再ブレイクした梶原
一方の梶原は『はねるのトびら』終了後、劇場での漫才と地元大阪での番組出演がメインになった。2013年にYouTubeチャンネル「毎日キングコング」の配信をスタートさせているが、当時はまだ今のような熱意はなかったはずだ。
多くの芸人が集結する『はねる』で持ち味を活かせなかった梶原。もともと“ポスト岡村隆史”を期待されていただけに、きっと西野以上に“ひな壇に座る”のは気が引けたことだろう。
そんなか、あるイベントに出演した際、シークレットゲストとして登場したYouTuberのフィッシャーズと水溜りボンドの人気を目の当たりにする。自分の知らない人間に湧き上がる大歓声。梶原は「こんな世界があるのか!」と驚愕したという(2019年6月25日発行『VVマガジンvol60』より引用)。
また、10月1日に開設したYouTubeチャンネル「カジサックの部屋」で、梶原は「芸人が有名YouTuberの方に絡みに行くって新しいと感じ、行動(ラファエルさん、ヒカルさん、へきハウスさんのチャンネルにお邪魔)した」と、そのきっかけについて語っている。
改めて芸人としての話術にも称賛
YouTubeの動画製作は基本的に少数精鋭。しかも、自身の持ち味を活かしたコンテンツがつくれる。直感するものがあったのだろう。梶原は“カジサック”を名乗り、昨年10月にチャンネルを開設。YouTuberデビューを果たす。同時に「2019年の年末までに登録者数100万人を達成しないと芸人を引退する」と表明したことでも大きな話題となった。
芸人をゲストに招いてのフリートークはたちまち評判を呼んだ。プライベートに近い雰囲気のなかで、テレビでは取り上げられることのなかった新情報が飛び出すこともある。これまでらしい軽快なトークも冴え渡り、ゲストの芸人から今まで視聴者が見たことのないような表情や個性が引き出されていく。YouTuberとしてだけでなく、改めて芸人としての話術にも称賛が集まった。
目標に掲げた「登録者数100万人」は今年の7月の時点で突破。フタを開ければ、154万人に膨れ上がったモンスターチャンネルとなった(2019年12月現在)。今年から次々とタレントがYouTubeに新規参入したのも、先陣を切った梶原の成功によるところが大きいだろう。