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自室が“妹専用”の勉強部屋に…姉がイライラする「姉妹の待遇差」

暮らし

自習室を使って勉強をするハメに

姉妹格差

 唯一の勉強部屋を取られてしまった加奈子さんは、予備校の自習室などを使って勉強をするハメになります。

「学科試験のほかに、デッサンなどの実技もあったので、なるべく静かな場所で勉強したかったのですが……。結果的に、その年に志望校に合格できて良かったです」

 なにごとも器用にこなす妹は有名私大にも一発合格。そして加奈子さんは、就活でもまた挫折を味わいます。

「何十社と受けたのですが、全部不採用でした。美大ということもあって覚悟はしていましたが、実際に内定がもらえないと落ち込みました。卒業後はバイトをしながら、就職浪人をすることに。一方、妹は、大手の広告代理店から内定をもらっていて、悔しい反面、あまりのソツのなさに思わず感心してしまいました」

追い出されるように実家を出る

 そんな中、両親からは「大学を卒業したんだから、そろそろ実家を出てほしい」という宣告が。

「都内に実家があるので、大学卒業後もずっと実家暮らしだったんです。私が長女ということもあって、先に追い出されるように家を出ました。フリーターだったので一人暮らしは経済的にキツかったです。でも、妹は就職して2年経つのに、なぜかまだ実家暮らしなんですよね」

 そう自虐気味に笑う加奈子さん。今では親族の集まりで妹と顔を合わせても会話がないといいます。

「『嫌い』というわけではなく、あくまで性格の違いですね。思えば中学の時から、私が家にいても妹の友達が遊びに来たら、家から追い出されていたんです。両親とはうまくやっているのですが、妹に対しては年齢を重ねても相容れないですね」

 意外と根が深い姉妹格差。もし自分が親になる時が来たら、子供たちが“差”を感じないよう、気をつけて接する必要性を強く感じました。

特集・兄弟姉妹のトホホな話

<TEXT/池守りぜね イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>

出版社や、web媒体の編集を経て、フリーライターに。趣味は子供と一緒にプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ

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