「同僚の本名を知らない」 あだ名で呼び合う職場の実態
嫌だったら途中から変えるのもアリ
――あだ名は自分で決められるんですね。
若旅:昔は社長からの命名もありましたが、最近はだいたい自分でつけることが多いですね。嫌だったら途中から変えるのもアリです。拒否権は全然ありますよ。
ホームページにあるメンバーページ(社員紹介のページ)をつくるために、入社して1か月経たずにあだ名を求められるという暗黙のルールがありまして、そのページの発表を持って本決まりする感じです。
――玉城さんのあだ名はなんですか?
玉城伸太朗(以下、玉城):ほぼほぼ、まんまなんですけど「たまさん」って呼ばれています。僕の場合は、周りと相談したパターンです。LIGに入る前、札幌で仕事していた時期に呼ばれていた、慣れ親しんだあだ名があったので、それでいこうとしたら人事から「それはアカン」っていう圧を感じまして……。
――どんなあだ名だったんですか?
玉城:「たまきん」と呼ばれていたんですよ。
――あぁ、なるほど(笑)。でもほぼ本名ですよね?
玉城:いまだに、なんでアカンねんって思っているんですけどね。LIGってホームページのメンバーページ(社員紹介ページ)につけたあだ名が掲載されるので、前の仲間が見たら「あ、ひよったな。調子乗って東京行くって言ったくせに」って思われるんじゃないかなって。
伊藤:いやーでもたまきんは呼べないなー(笑)。
玉城:で、たまさんに落ち着きました。
呼び捨てや“さん付け”も人によりけり
――若旅さんと伊藤さんはいかがですか?
若旅:私は広報系のセミナーでつけてもらった「たびちん」です。
伊藤:僕は「まさくに」って呼ばれています。本名が正訓(まさくに)なので。僕、正訓が世界で一番かっこいい名前だと思っているんで(笑)。だから初めての自己紹介で「正訓が一番かっこいいと思っているんでそう呼んでください」と言い、すんなり決まりました。本名を呼び捨てで呼ぶのは、この会社の中では独特なのかなって思います。
――“呼び捨て”や“さん付け”も自分で決められるんですか?
若旅:“さん付け”するかしないかは、人によりますね。「大山さん」「さささん」とか、もとのあだ名がすでに“さん付け”になっている人もいます。
伊藤:さんをつけるべきかって悩みますね。あと、ちゃんがついていると呼びにくいですね。例えば「花ちゃん」は「花ちゃんさん」って呼んじゃいますね。
――例えば「花さん」じゃいけないんですか?
若旅:「花さん」だと、誰だかわからなくなってしまいます。それくらい、あだ名が定着していて、逆に本名を思い出せないんですよ。
内々の組織図には、本名とあだ名が併記されていますが、グーグルのカレンダーは社員の名前が本名で登録されているんで、照らし合わせて探さなきゃわからないんです。あと、書類系は当然本名での記載なので、総務部の新人は特に大変みたいです。社員全体で100人近くいるので、覚えるまで2~3年かかったとか。