1億3000万円ダウンも…年俸大幅減を受け入れたベテラン野球選手たち
3)岩隈久志(読売ジャイアンツ)
14億円→5000万円→2000万円
2017年、MLBプレーヤーとして10億円を超える年俸を手にしていた岩隈久志。しかし肩の炎症が原因で契約を打ち切られてしまい、2018年はアメリカ国内でMLB復帰を模索するも芳しい結果は残せず。国内復帰が噂される中で、古巣楽天イーグルスからのオファーもあったようだが、結局入団に至ったのは読売ジャイアンツ。年俸5000万円の契約を結び、豊富な経験を活かしたピッチングを期待されていたが、残念ながら1軍登板はゼロに終わる。
2019年11月29日、来季の契約を結び、その年俸は今季より3000万円減となる2000万円と伝えられた。年俸はマリナーズ時代からおよそ70分の1にまで下がったとも言われている中でも、来シーズン、39歳となるベテラン右腕は来季の目標を「一軍で投げる事、日本一を目指して戦いたい」とコメントしている。
勝ち星は日米通算170勝。最多勝を日本で2度獲得し、2008年には21勝も記録、メジャーでも2ケタ勝利を3度挙げている。緩急自在のピッチングを来季、再び見られるのか、多くのファンが注目しているはずだ。
4)松坂大輔(埼玉西武ライオンズ)
12億円→1500万円→3000万円
2018年1月、松坂大輔は1500万円という年俸で中日ドラゴンズの一員となった。それまで在籍したソフトバンクでは3年間で12億円という契約だったものの、一軍登板がほとんどないまま退団。その経緯もあり中日入団の際にはプロ野球ファンは様々な思いを抱いていた。
それでもナゴヤドームでは年間を通して先発のマウンドに上がり続け、6勝4敗の成績を残す。シーズン後にはカムバック賞にも表彰されており、活躍もさることながら、何より、松坂のマウンド姿がみられる喜びを我々ファンは噛みしめていた。そのオフの契約更改も大きな注目を浴び、大幅アップを勝ち取っている。ベテラン選手が好成績をおさめるとその年俸も引き上げられるという、わかりやすい構図が松坂により改めて示されたことも、どこか嬉しかった。
中日は今季限りで退団。かつての「怪物」は来季より、古巣・西武ライオンズのユニフォームに袖を通すこととなった。年俸3000万円の1年契約。プロ野球選手としてのキャリアが始まった球団に14年振りの復帰が決まると「リーグ3連覇、日本一を目指すチームの力になれるよう努力していきたいと思います」と力強くコメントしている。
<TEXT/佐藤文孝>