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母親を尊敬できない…27歳女性が「あえて結婚しない人生」を選んだ理由

暮らし

家出して東京でキャバ嬢デビュー

「父親のDVに耐え切れず、母親に相談したとき、彼女は会社を抜け出して助けてくれたこともありました。でも、私が『親戚の家に預けて、そこで育ててほしい』と言っても、世間体があるからと、私を父親から離してくれようとしませんでした」

 そんな両親に嫌気がさして、高校卒業後、家出。上京して池袋のキャバクラでキャバ嬢デビューします。

「楽しかったですよ。無口な私に、お客さんもちやほやしてくれて。方言交じりの田舎者だから、先輩たちも親切にしてくれて、毎日がお祭りみたいでした」

 しかし予想外の出来事が。お得意さんに誘われて偶然来店した親戚に、伊村さんが働いている姿を見られてしまったのです。

「実家に連れ戻されて、地元の短大に入学させられました。家出をしないようにと、外出の際には携帯を取り上げられたんです。ヒドいですよね……だから短大で介護の資格をとったら、今度こそ家を出ようと決めました」

再び上京して介護業界に飛び込むも…

介護

 ところが、そんななか家庭のゴタゴタが勃発。学校を定年退職した父親が、もらった退職金を母親に渡さず、知人男性に投資し、騙されて失敗してしまったのです。

「短大を卒業するころに、その話を聞きました。父親は、投資に失敗して全財産をなくしたことがショックで、精神的におかしくなって入院しました。半年後に退院することが決まると、私が自宅で介護をさせられそうになりました。それが怖くて、絶対にやりたくないと思い、短大卒業と同時に上京しました」

 しかし地元にいるよりマシだと思った介護職は、都会でも給料がとても安いことが判明します。

「私より10歳上の40歳近い人でも年収300万円未満とわかって、これではとても暮らせないと思いました。キャバ嬢に戻ろうかとも思い、久しぶりに池袋のキャバクラの店長に電話をしてみたのですが、そこでお店のオーナーの知人が有料老人ホームの新設スタッフを募集しているとわかって、試験を受けたら合格したんです」

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