東大卒の35歳厚労省官僚が「プロのキックボクサーになった」理由
キックパンツに「働き方改革」
――ただ仕事とのバランス配分が難しそうです。
松本:自分のやりたいことに傾倒しすぎて職場の同僚や上司に迷惑をかけるのは良くありません。大変でも仕事でやらなきゃいけないことは精一杯努力すべきです。
そうして周りの人たちを納得させて、誰からも文句を言われないようにしておくことが両立させるための前提条件ではないでしょうか。
――松本さんが試合で履いていたキックパンツに「働き方改革」というキャッチフレーズが書き込まれていたのが印象的でした。
松本:以前、キックのことで職場に相談した時は「公務員キックボクサーなんて前例ないぞ」と言われ困惑されました。ですが、ジムと雇用契約がなく定期的な給与もない。「お金は少額のファイトマネーだけなので副業に該当しない」というお墨付きをもらってやらせていただいてます。
ですから、どうせなら僕ならではのキャッチフレーズを取り入れたかった。それで思いついたのが、働き方改革(笑)。つまり公務員キックボクサーという僕の生き方そのものが、厚労省が進める働き方改革の実践になっているということでもあるのかなと。
副業は話し合いの場を持つべき
――もし勤め先に二足のわらじは認めないと言われた場合はどうすれば?
松本:その時は法律やルールには基づいた上で、話し合いの場を持つべきでしょうね。なにもせずに自分だけがずっと我慢している必要はないと思います。
この先、世の中的にそういう意識がもっとマジョリティになっていけば、本当の意味での働き方改革につながると思っています。