消費者金融にハマった27歳男性。3年間のギリギリ生活とは
月初めに困窮する時は飲み会で“現金錬成”
そこで、寺門さんは足りない分をクレジットカードの引き落としの前日に消費者金融で借りるようにしたそうです。
「僕の場合、その後、すぐに給料日の振り込みがありますから、1か月以内には絶対にお金は返すようにしています。僕の使っている消費者金融は1か月以内に返済すれば、利子をつけずお金を貸してくれるんです。これが、本当のドツボにはまらない僕なりのけじめなんです」
と彼は言うのですが、消費者金融各社がやっている「30日間無利息サービス」は、初回借り入れの時だけ。確かにポイントを貯めれば「何度でも30日間無利息」という会社もありますが、めったなことでは貯まらないポイント数です。もしや寺門さんは、「何度でも、1か月以内に返せば利子がつかない」と思い込んでいるだけでは?という不安もよぎるのですが…。
「ちなみに月の初め~中頃にお金が足りなくなってしまう時は、なるべく飲み会でクレカ払いをするようにしています。そうすれば、全員分の現金がいったん僕の元に集まりますから。消費者金融に借りるよりは、このほうが気持ちがいい。集まった現金を、なんとか月内キープするように努めます」
確かに罪悪感なくお金を前借りできている状況が作れますが、単にタイムラグでしのいでいる綱渡りなのは間違いありません。
「現金が集まったからと言って、調子に乗って使いすぎると、月末のクレカの支払いが大変なことになるので、使わない分は、先に口座に入れておくようにしています。飲み会では理性飛んじゃうので、酔ってない時に絶対やっとくんです(笑)」
お金との向き合い方は、節度を持つことが大切です。寺門さんは独自ルールでギリギリ踏みとどまっているとも言えますが、少し計画が狂えばあっという間に破綻します。まずは「収入以上の支出をしない」ルールを、おのれに課すことが先決ではないでしょうか。
― 特集・借金苦に陥る若者たち ―
<TEXT/ミクニシオリ イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>