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29歳日本人スタッフが語る“台湾野球”の魅力。チアリーダーと一体になって応援

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プレイボールに合わせて戦闘機が飛ぶ

F16戦闘機

試合以外のパフォーマンスも意欲的に取り組んでいる

――ほかに特徴はありますか?

礒江:イベントに力を入れていて、たとえば「アーミーフェスタ」では中華民国国軍がさまざまなパフォーマンスをしたり、戦闘機が球場の上を飛んだりします。プレイボールに合わせて球場の上をF16戦闘機が飛んだり、軍人の方が隊列を組んで行進したり、楽団が国歌を演奏したりします。日本とは趣の違うイベントも多いので、楽しんでもらえると思います。

――プレースタイルの特徴は?

礒江:打高投低といって、打者有利でヒットや得点の多い野球です。たとえば、日ハムの王柏融(ワン・ボーロン)選手は、台湾では2年連続で4割打っていました。たくさん点が入るので大味ではありますが、展開が多岐に渡ります。逆に言うと、投手はもっと頑張らないといけないのかもしれないですが……。打者がなかなかアウトにならないので、試合時間は3時間半ぐらいかかるケースが多いです。

――日本人選手はいますか?

礒江:過去には何人かいたのですが、今は現役選手はいないんです。台湾の野球界が必要としているのは投手の助っ人なんですが、ちょうどマッチする人がいまのところいない状況ですね。指導者では、元近鉄の古久保健二さんが、富邦ガーディアンズでバッテリーコーチとして活躍されています。

買収がきっかけで日台間の交流が深まれば

――楽天がチームを買収したことについて、台湾ではどう見られていますか?

礒江:これまで「ラミゴモンキーズ」という名称や猿のマスコットとともに長年続いてきたチームなので、「マスコットは変えないでほしい」という声は多くのファンや地元自治体の桃園市長から聞かれます。

 ファンの間に「ラミゴモンキーズ」という慣れ親しんだチームを惜しむ声はありますが、これをきっかけに、台湾と日本の間の交流がさらに深まればいいなと思っています。

――なぜ売却することになったんですか?

礒江:台湾の球団は少なくとも毎年1億台湾ドル(約3億5000万円)ほどの赤字を抱えながら、球団運営を続けています。ラミゴの親会社は靴メーカーで、他の企業に比べて資金面に余裕がないため、球団売却に至ったと言われています。

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