ミスiD2019受賞の23歳が語る、ダンサーとしての過去と現在
初のMV出演は「何もできていなかった」
――高校卒業して、桜美林大学芸術文化学群に進学します。
櫻井:演劇を専攻しました。ダンスに限らず、ひとつのステージを作り上げる授業もあって、パフォーマンス以外にステージ照明、制作とか演劇スタッフとしての勉強もしました。先生が構成、演出、振付をして、選ばれた生徒が踊る「桜美林大学パフォーミングアーツ・レッスンズ〈OPAL〉」という公演が授業の一環としてあって、そこではバリバリ躍らせてもらってましたね。
――在学中からMVでパフォーマンスするになったきっかけは?
櫻井:大学2年の時に、知り合いがとあるMVのディレクターをすることになって、そこで「踊ってくれない?」って誘われたんです。そのときは、軽い気持ちで参加したんですが、現場ではプロのダンサーとして見られるわけじゃないですか。当時の私は二十歳そこそこのペーペーだし、それでもプロとして立ち居振る舞うことを求められるのが大変で。いま振り返ると、何もできてなかったと思います。
でも、この作品がきっかけになって学校外の人とも交流を持って、いろんな映像作品に携われることができるようになりました。
三浦さんとの出会いは半年前
――一般的なダンスと、MVでの踊りは全く異なるものですか?
櫻井:学生時代は先生や仲間たちと稽古を重ねて、最終的に公演として、来場してくれたお客さんに見せることが目的でした。MVはもっと即興的というか……撮影中にその場その場で求められることをいかに踊りの中に反映させられるか、ということが必要だと学びました。
――□□□の三浦さんとのダンス公演は何がきっかけでしたか?
櫻井:半年前に三浦さんを紹介してくれた公演のスタッフさんが「次の公演では三浦さんがかかわってくれたらいいね」と言ってくれてたんですが、本当に実現できることになりました。これまで卒業研究公演も含めて5、6本の作品を作ってきたのですが、割とそのときのテンションで即興的なパフォーマンスになることが多かったんです。
今回の公演内容は、今日の時点ではまだどんな作品になるか、わかりません。今までとは違うことにはなりそうです。三浦さんは「何かセリフを作って、しゃべらせようかな」と話していましたが、リハーサルやミーティングを重ねて決めていくつもりです。音楽のことは全然わからないので、そこはもう身を任せるつもりです。
<取材・文/詠祐真 撮影/スギゾー>
【櫻井香純】
幼少期より、育かほるにクラシックバレエ、ジャズダンスを学ぶ。2015年に桜美林大学芸術文化学群演劇専修入学。コンテンポラリーダンスを木佐貫邦子に師事。大学卒業後は個人での作品発表に加え、多数の音楽アーティストのミュージックビデオにて振付や出演をするなど活動の幅を広げている。Twitterは@tomachaso