元走り屋の父親から1000万円以上の車を譲られたが…断った理由
深夜になると、首都高や田舎の峠道などに出没する走り屋。彼らにスポットを当てた人気マンガなどもあり、動画サイトでは猛スピードで駆ける走り屋たちの映像が数多くアップされています。
また、なかには愛車を走り屋仕様にカスタマイズ。同じ趣味を持つ相手と公道で激しくバトルしている人もいるようです。
父親の愛車は走り屋仕様の改造車
「父がまさにそれでした。40代半ばを過ぎた今は引退してますけど、5年ほど前までは週末の夜になると当たり前のように『峠に行ってくる』といって走りに出かけてました。事故を起こす危険だってあるわけだし、家族にとっちゃいい迷惑ですよ」
ため息をつきながらそう話すのは、地方公務員の鈴木英人さん(仮名・23歳)。引退してホッとひと安心していたそうですが、しばらくして父親が走り屋仕様の改造をほどこした愛車を「お前に譲るから大切に乗ってくれ」と突然言い出してきたそうです。これには正直困惑したといいます。
「乗っていたのはスバルの『レガシィ』の古いモデルなんですが、恐らく改造費込みで1000万円以上はかかっていると思います。すごくいい車なんだと思いますが、僕が欲しかったのはスポーツタイプではなく友達みんなで乗れるような車内が広々としたワゴン車やSUV車。なんだか落ち着かなさそうだし、燃費も悪いと聞いていた。譲ると言われてもさすがにちょっと……というのはありましたね(笑)」
しかも、完全な走り屋仕様でエンジン音もド迫力でうるさすぎる。でも、走り屋になるほどの車好きの人にとって愛車は何よりも大切なモノであるはず。実際、家族であっても絶対に乗せないこともあると聞きます。
息子は走り屋にまったく興味なし
「ああ、ウチもそうでしたよ。だから、家族でお出かけするときは必ずもう1台のワゴン車。そもそも僕も含めて家族は車にまったく興味がなく、いい歳して峠を攻めるとか言っていた父のことが子供心にカッコ悪く見えちゃって。走り屋だからきっと法定速度を守って走っていなかっただろうし、面と向かって父に注意するとかはしませんでしたが、そこは内心冷ややかに見ていましたね」
しかし、父親はなぜか鈴木さんが喜んで車をもらうと思っていたらしく、息子から受け取りを拒否されてかなり落ち込んでいたとか。
「父の影響で僕も車大好きっ子になっているとの思い込みがあり、親子2代にわたって同じ車を操って峠を走るってカッコイイ! みたいなことを考えてみたいです。実家にあった漫画『頭文字D』も、たまたま家にあったから読んでいただけ。勝手に勘違いしたとはいえ、妙な期待を抱かせちゃったのは悪いと思いましたけどね(笑)」
そんな鈴木さんですが、車のことで父親に感謝していることがあるといいます。