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芸人・品川祐が語る「ブレイクとバッシング」を経て見えた新境地

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前のめりで話が進んだYouTubeチャンネル

品川祐

品川祐チャンネルにジャルジャルが出演したワンシーン

――YouTubeでは『品川ヒロシチャンネル』を開設。ジャルジャルのショートムービー、ロバート・秋山竜次さんのMVもアップされています。MVは秋山さんから品川さんにオファーしたそうですが、ジャルジャルさんは?

品川:ちょうどショートムービーになるものが撮りたいと思ってたので、自分のほうから声をかけました。ジャルジャルって面白さもあるけど、恐さもあるじゃないですか。それがいいなって。

 もともと(後藤)淳平と仲がいいっていうものあったし、よく知らない人に声をかけて「やらされてる」って思われるのも嫌だったんですよ。2人に声をかけたら、すぐに「これとこれどうですか?」って前のめりで来てくれたので話が進んだ感じですね。

大切なのは、不貞腐れずに圧倒的な熱量で動く

品川祐

――なにかと揉めごとが多いのも、品川さんの魅力だと感じます。今後も、プロレス的な芸風を期待するファンも少なくないと思うのですが。

品川:今までもやろうと思って揉めたわけじゃないですけどね(苦笑)。たぶん僕の性格なので、もしかしたら今後もあるかもしれない。ただ、昔みたいに「山ほどテレビ出たい」「話題にあがりたい」っていうのにあんまり興味がなくて、今は好きな番組に出たり、好きな映画を撮ったりっていうような、手応えのあることをしていたいんですよ。

もちろんゼロではないですけど、周りになんか言われてもあんまり気にならなくなってきてるし、そのあたりの価値観は変わってきているかもしれないですね。

――職場での立ち位置に悩む方も多いと思います。そんな20代のビジネスパーソンにメッセージがあればお願いできますか。

品川:僕なんてわがままだから、自慢するし、愚痴も言うし、気遣いができるとかいう人間じゃないと思うんですよね。圧倒的な熱量で動いて、有無を言わせないみたいなやり方できましたから。それが前は「オレがこんなにやってるのに」っていう論法になっちゃって、他人に厳しく当たってたんですよ。

 今はもうそれもなくなって、その人が動かざるを得ないくらい隣で動くだけになった。今回撮った映画でも、必死になって説得したり動いたりしたことで、自然と周りにも熱量が伝わったんじゃないかって気がします。ふて腐れてるだけでは周りはなにもしてくれないまま。だから、人の倍動いてみてください。必ず手を貸してくれる人が現れると思いますよ!

<取材・文/鈴木旭 撮影/スギゾー>

【品川祐】
1972年、東京都生まれ。NSC東京校1期生。1995年、同期の庄司智春とお笑いコンビ「品川庄司」を結成。品川ヒロシ名義で小説『ドロップ』『漫才ギャング』などを執筆。また、監督としても『ドロップ』(2008)『漫才ギャング』(2011年)『サンブンノイチ』(2014)『Zアイランド』(2015)を発表。現在クラウドファンディングで監督映画「リスタート」(来春、沖縄国際映画祭から公開予定)の製作資金を募っている(9月30日まで)

フリーランスの編集/ライター。元バンドマン、放送作家くずれ。エンタメ全般が好き。特にお笑い芸人をリスペクトしている。個人サイト「不滅のライティング・ブルース」更新中

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