就活イベントで考える「幸福とはなにか」学生の本音は…
就活生に有利な売り手市場と言われる近年の就活市場。就職情報大手のディスコの調査によれば6月1日時点の2020年春卒業予定の大学生・大学院生の内定率(内々定含む)は71.1%という高確率を記録しています。
一方で、黒髪、リクルートスーツ、自己分析など固定観念にとらわれた従来型の就活に疑問を感じる人も数多くいます。そんな若者たちのための就職サービスが「就活アウトロー採用」。
前回の記事ではプログラムの要となる「合宿」に参加し、個性豊かな若者たちとの交流を楽しみました。今回は、その次に行われたワークショップの模様を報告します。
「幸福とはなにか」を学生たちが話し合う
6月末、都内某所。初回の説明会が行われた時と同じイベントスペースに集められた参加者たち。今回はトークセッションが行われ、テーマは、合宿の最終日にすでに予告されていた「幸福とはなにか」です。
集まった若者たちは5~7人のグループを組み、事前に考えた自らの「幸福」について発表し、意見交換をします。
「幸せとは、自分がなりたい状態に向かって成長できていることだ」「僕は幸せとは現状を受け入れている状態だと思う。月収数万円でも現状に満足していれば幸せだ……」など、一人ひとりが本音でそれぞれの考えを出し合います。
ある若者は、グループで意見を発表する際に「幸福の究極到達点について結論が出ました」と高らかに宣言し、「脳を電子化して幸福情報を送り続ければ、それが究極の幸せだ」という奇抜な意見で場を湧かせます。
年収が高いほうが幸福度も高いが…
みなが自由に意見を出し合い、他者の意見に真剣に耳を傾けていました。
トークセションが終わるころ、NPO法人キャリア解放区代表の納富順一さんは「統計的に幸福度と年収は相関関係があり、年収が高いほうが幸福度も高い。でも、年収700万円くらいを超えるとその関係もなくなってくるんだよね」と語ります。
さらに収入や仕事のやりがいなどの観点で幸福を分析し、その基準について「最終的にはなんでもいいと思います。みなさん自分の幸福を追求してください」(納富さん)と締めくくります。