真夏の「香水×汗」が臭すぎる…夏の営業車はスメハラ地獄だった
嗅覚が敏感な人にとって、キツいのは狭い密室。なかでも走行中の車の中は逃げることもできず、目的階に着くまでの短い時間を我慢すればいいエレベーターと違って長時間耐えなければなりません。
「思い出すだけでも吐き気をもよおしそう。それほど強烈なオイニーでした(苦笑)」
そう語る食品メーカー社員の北沢貴宏さん(仮名・30歳)の忘れらないスメハラ体験とは、1年前に出張先で乗った社用車での出来事。
芳香剤と香水の匂いが充満した車内
その日、本社から来た北沢さんと上司、現地営業所のアラフォーの女性課長と運転手を務める若手社員の4人で会社のワゴン車に乗り、農家の視察に向かったそうです。
「入った瞬間、甘ったるいフルーツ系の芳香剤の匂いが鼻を刺激しました。個人的にあまり好きな香りではなく、しかもその匂いが異常なほど充満していました。この車で朝から夕方まで移動するのかと思うと、ちょっと憂鬱な気分になりました」
しかし、全員乗り込んで車が走り出すと、後方座席に座っていた北沢さんは芳香剤ではない別の匂いが漂うのを感じたそうです。
「助手席に座る女性課長の香水でした。フローラル系のいい香りでしたけど、これもあなた香水かけ過ぎたでしょってほど匂いが強かった。私は彼女の真後ろに座っていたので、カーエアコンの風に乗って直で私のほうに香水の匂いが流れてくるんですよ。もちろん悪臭ではないんですけど、芳香剤と混ざって少し変な匂いになっていましたね」
一緒にいた上司もこの匂いが気になったようで、ショートメールで《ニ、ニオイが……》というメッセージが北沢さんのスマホに送られてきたといいます。
炎天下の中、農家で“異臭”に耐え続ける
「さすがにデリケートな内容ですし、口は出せませんからね。メッセージを確認した後、隣に座る上司を見たら苦笑いしていました。臭いと感じていたのは自分だけじゃないと思ってホッとしましたけど、自分たちには我慢することしかできませんでした。その日は気温が35度近くあり、窓を開けるわけにもいかなかったので……」
視察先の各農家では炎天下の中、畑などを見て回るので車に戻るころには4人とも汗だく。車内では芳香剤+香水だけでなく、次第に汗臭さも感じるようになったそうです。
「車を降りる際、エアコンを止めていたから再び乗ったときは、モワッとした熱気が交じった臭いが鼻を刺激して、あれはヤバかったです。それまでの芳香剤も香水も基本いい匂いで、それが強すぎて不快を感じていたわけですが、汗と混じって化学変化を起こしたのか、この時点では完全な異臭になっていました。
ですが、自分たちの流した汗が原因になっているのは疑いようがなく、これで女性課長のせいだと言うこともできなくなった。全員大人ですから臭いには一切触れませんでしたけど、彼女も途中からハンカチを口と鼻に当てていました。きっとクサかったんでしょうね」