コンビニ、ファミレス、蔦屋書店は「家の代わり」になるか
「物を持つこと」の意味が変化している
白武:じゃあ、この意味のホームフルの提唱者はもてさんだ。
もて:片づけコンサルタントのこんまり(近藤麻理恵)みたいな。
白武:ぼくは第二のこんまりと喋ってるわけですね(笑)。
もて:あらためて説明すると、今は世の中にシェアリングサービスがめちゃくちゃ出てきて、サブスクリプションも普及して「所有」の概念が変わってきている。SpotifyやApple Musicも、これまで曲を買って自分のものとして聞いてたのが、曲を所有しないのが当たり前になった。
加えて、働き方も変わってきた。同じオフィスにずっといることも減ってくるし、さらには家族のカタチも変わってきているので、そういう変化をすべて「ホーム」の変化として考えませんか、というものです。
白武:なぜ、そんなことを考えるようになったんです?
もて:昔、終電を逃した時とか、オフィスに遅くまでいるときとか、だんだん帰るのがめんどくさくなってくるんですよ。終電逃して、歩いてるとき、もうそこらへんで寝たいと思うけど、寝ちゃいけないことになってるのが嫌で(笑)。でも実際、寝られる場所って都内ならいっぱいある。
白武:Twitterの「#SHIBUYAMELTDOWN」みたいな(笑)。
地球=ホームになると「ホームレスはいなくなる」
もて:それこそ「道端にだって寝ていいじゃない!」という気持ちが一時、高まって、チャレンジしたこともある。ホームレスの方って、家がなくて、街の中のいろいろなところを転々としてる。だけど逆に言うと、家のほうを街に引っ張ってきて、「街全部が家だからどこにでもいられる」って状況にできるかもしれない。
白武:もてさんの概念を推し進めていくと、ホームレスはいなくなるし、地球をホームと呼ぶようになると。
もて:「宇宙船地球号」的な(笑)。
白武:ぼくもモノポリーみたいに同じ場所をぐるぐる回る生活をしているから行く場所がだいたい一緒なんですよ。渋谷のホテルのカフェで仕事して、代官山蔦屋行って、それでも足りなかったら神泉のデニーズ行って、それで家に帰る。
家にいると集中できないから、書斎である蔦屋書店に行ってて、家はシャワーと寝るためだけの場所だと思っています。