吉本「闇営業問題」へのコメントに見る、山里亮太のバランス感覚
最後は若手芸人へのエールで締めくくる
『たまむすび』の最後に「これだけは言わせて」と前置きしたうえで吉本興業についても言及。
「俺の周りの吉本の社員さんはお笑いが大好きで、すごい芸人を作りたいって人しかいない。マネージャーさんはお笑いが好きで、芸人が大好きで、『この人と組んで成功するのを見たいんです。だから私たちはどんなに時間を削ってでも頑張ります』って言ってる人しかいない。怖いイメージを持っている人が減ってほしい。
若手の子たちもこの会社には夢も希望もないって思わないで、頑張ってると、この俺たちを売るために死ぬ気で動いてくれる人たちがいる会社だから。このタイミングで吉本をでていく人も多いと思うけど、もうちょっと頑張ってほしい」
多くの所属芸人がしているような吉本興業側への批判を一切せず、若手芸人へのエールで締めくくるという、山里ならではのコメントとなった。
全方位に配慮された見事なコメント
一連の山里のコメントについて、お笑い評論家のラリー遠田氏は「見事なバランス感覚」と分析。
「どのコメントをとっても、事務所、先輩芸人、後輩芸人、視聴者など全方位にわたって配慮しているのが感じられるコメントでした。『スッキリ』では、それまで加藤さんが感情的になって張り詰めた空気が流れていたので、視聴者のためにあえて和ませるようなことを言ったのでしょう」
しかも、その内容は、加藤と事務所の「どちらにも悪い印象を与えない絶妙なものだった」という。
「山里さんの優れている点は、他人を直接傷つけたり、馬鹿にしたりするようなことを絶対に言わないところです。オチをつけるときには、必ず自分を下げることで落とす。自分をやられ役にすることで、他人を巻き込まずに優越感だけを与えて笑いを取ることができる。
たとえ芸人でも、自分の中にある小さなプライドにこだわってしまい、自虐を徹底できない人は多い。でも、山里さんにはそれがない。どこまでも自分を下げることにこだわるんです」