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若手をモヤモヤさせる「ムチャブリ上司」の正体

学び

 上司と会話が噛み合わず、なんとなく居心地が悪い。送った大事なメールに気づいてくれない上司が「一声かけてよ」。

若手

※画像はイメージです(以下同じ)

 だったら、メールで送る意味ないじゃん! そんな経験、20代のビジネスマンなら一度は味わったことがあるだろう。

 若者がオトナ世代に感じるモヤモヤについて、働き方研究の第一人者が分析した、新刊『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』(アスコム)が話題だ。著者である、ツナグ働き方研究所所長の平賀充記氏に話を聞いた。

「SNSムラ社会」と「会社内タテ社会」

 オトナ世代の労働観はどのように形成されていったのだろうか。

「終身雇用、年功序列というクローズな関係性の中で、強固な“会社内タテ社会”を生き抜く必要があった。いかにして上司に気に入られるかが、絶対的な影響力を持ち、唯一無二の成功条件。出世のために理不尽な仕打ちにも耐え抜いてきたんです。だから、違うことには『NO』とはっきり言う今の若者とぶつかってしまうのです」

 いわゆる「24時間戦えますか?」「愛社精神」などと叫ばれた高度経済成長時代の“モーレツ”会社員像だ。一方で、20代の若手社員はどのような意識を持っているのか。

「生産性と合理性を重視する彼らは、上司に対してはっきりと言わないものの、不満を抱えていることが多い。転職が一般化した今、『この会社、合わない』と思ったら、新卒でもすぐ辞めてしまいます。もっともよく聞くと、部下ではなく上司に原因があることが多いですが…」

オトナの働き方を読み解くキーワード

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 そんなオトナの労働観をどう読み解くのか。キーワードのひとつとして「リテラシーではなくテレパシー」だと、平賀氏は語る。

「私が若手社員として働いていた当時、上司からまったく仕事を教えてもらえませんでした。『シゴトは見て盗むもんだ』と言われるので、とりあえず自分でやってみるのが当たり前。

 ただ、やったらやったで『なんでそこに気が回らないの?』と怒られるんです。今みたいなデジタルリテラシーは要求されませんでしたが、テレパシーは要求されていました(笑)」

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