ゲーム対戦=eスポーツが興行として成立する理由。大手企業も注目
未練を断ち切るためCD-ROMを叩き割った
――但木さんご自身は、もともとゲームに関心はあったのですか?
但木:ゲームは昔から大好きです。最初は家庭用ゲームをやっていて、それから中学高校生のころに、「ディアブロ」や「ウルティマオンライン」などのMMORPG(大量のプレイヤーが同時にプレイするオンラインゲーム)にドハマリしました。
MMORPGは膨大な時間がかかりますし、楽しいイベントがだいたい夜中に実施されます。日常生活を犠牲にしてそんなゲームをやっていたので、このままでは人生が破滅するかもしれないと思いました(笑)。
――かなりのゲーマーだったんですね。そんな状態から、無事にゲームをやめられたのですか?
但木:普通の生活をしなくてはいけませんし、大学受験もある、ということで引退することにしました。
本来はパソコンからゲームをアンインストールするだけで良いんですが、それだけでは未練を断ち切れないと思って、ゲームのCD-ROMを叩き割りました。ある種の儀式のようなことをしないと抜けられないくらいハマっていたんです(笑)。もちろん、今でもゲームは好きですし、家庭用ゲームもPCゲームも、スマホのソーシャルゲームもアーケードゲームも、それぞれ面白さがあるので大好きです。
ゲーマーからゲーム業界・eスポーツ業界に
――大学卒業後は、コンサル企業やスタートアップの立ち上げ、KADOKAWA、Gzブレインを経てフリーでゲーム業界、eスポーツ業界アナリストとして活動しています。
但木:会社を辞めたのにはさまざまな理由があります。そのひとつは、フリーになって活動をすれば、報酬が少なくても自分がやりたい仕事を自由にやれるからですね。企業に所属をしていると、自分の仕事にある程度の単価が発生してしまいますから。
eスポーツ業界というのは、まだ小さい会社や組織がしのぎを削っている状態です。最近では大きい企業も参入し始めていますが、基本的にはアドバイスを求めたり相談したりするために高いお金を支払うのは難しいんです。そういう業界で自由に活動するための手段として、フリーになるという選択が生まれました。
――フリーになってからはどのような活動をしているのですか?
但木:eスポーツに関連する記事の執筆や、業界に関連するデータの分析、事業に関心をもっている企業へのアドバイスなどがあります。eスポーツの知見がほとんどないけれども興味がある、という企業からの問い合わせが来ることもあります。