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ヤフーを飛び出し、フリーランスに。「世界一即戦力な男」の働き方

ビジネス

「なるべく楽をしたい」座右の銘みたいな

菊池良

「芥川賞」関連の資料は、国会図書館などで取り寄せた

――菊池さんって「世界一即戦力な男」を作って、ある種「受け身」の就活をしているし、こうして話していてもひょうひょうとしているから受け身と思われがちだけど、実際はかなり自分から行動を起こす人ですよね。

菊池:行動をしたのは、そうしないと就職できない状況だったからで、やらざるを得ないからなんですよ。それも、サイトもラフを書いて渡すだけでしたし。自分の中には「なるべく楽をしたい」という座右の銘みたいなものがあるんですね。

 デザインも動画も誰かに任せてしまうし、「もしそば」に続いて『芥川賞全部読む』も石黒(謙吾)さんというフリーの編集者とやったんですが、交渉ごとは全部お願いしましたし。営業は神田さんに任せるし(笑)。人にやってもらうということを重視していて、なるべく人にやってもらいたいんです。

 そういえば、神田さんとのコンビが続いているのって奇跡だと思うんですよ。

――というと?

菊池:神田さんと組めるのは僕しか続かないだろうなと思ってるんですね。原稿は遅いですし(笑)、謎に我が強いんだけど、僕はそういうのがどうでも良いと思っているので。「もしそば」も神田さんが「○○出版に持ち込むよ」というメッセージをしてくれて、ぼくは「お願いします」と返しただけ。

 普通の感覚でいうと、「お前もどこか持ち込み先を探してよ」ってなると思うんですけど、神田さんはそうならないから。この絶妙なバランスで保たれているコンビなんですよ(笑)。今も一緒に進めている仕事が3つありますからね、バンドでいうとL’Arc~en~Cielみたいな感じ。

<取材・文/岡本尚之 撮影/詠祐真>

【菊池良】
ライター・Web編集者。学生時代に公開したWebサイト「世界一即戦力な男」がヒットし、書籍化、Webドラマ化される。現在の主な仕事はWebメディアの企画、執筆、編集など。著者に『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』(神田桂一との共著、宝島社)

編集・文筆業。文学が好きです

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