“タワマンの悪い噂”に住民が反論 「価格暴落、階数ヒエラルキー…は笑い話」
3. 中国人が大挙して購入・売却して価値が暴落
この種の記事は微妙に人種差別と感じられるような話題で、取り上げるのすら嫌なのですが、大量に流布されているのでこの際に指摘しておきます。
日本のタワマンを購入する中国人は、基本的に、平均的な日本人住民よりもずっと収入が高く、また頭の良い方です。彼らは、自国では認められていない、土地の所有権が持てる日本の不動産に魅力を感じています。
外貨の持ち出し規制が入った今、既に手にした所有権有りの外国不動産を一挙に売却するということは無いでしょう。現に、「中国人が日本タワマン爆売り」などはまったく起こっていません。
私は、タワーマンションは暴落する、廃墟となる、あんな形態の住戸は害悪である、などという記事をこの10年間見続けてきましたが、暴落は起きていないどころか、むしろ板状マンションよりも評価されることのほうが多いことを観察してきました。
暴落するという記事を信じてタワマン買うことをを見送ったけど、いまや高くなりすぎて買えなくなったし、暴落はぜんぜん起きそうもないと後悔している人もいます。
それなのに、なぜタワマンばかりがやり玉にあがるかといえば、これは「タワマンに住んでいない人が読むためのもの」だからです。
タワマンの住民は日本の人口の1%にも満たないのですから、ほとんどの人はよく知らない世界なわけです。違う世界の話を面白おかしく取り上げる記事は喜ばれます。
あんな不自然なものはいつか天罰が起こるはず……そう願う人がいる限り、今日もタワマンを揶揄する記事は量産され続けるのです。
<TEXT/のらえもん>