上司の「何かあったら言ってくれ」は地雷。難解な“上司語”4つ
日本人は思ったことをストレートに言わず、まわりくどく表現するが、サラリーマンが使用する言葉遣いの回りくどさは学生の比ではない。サラリーマンは組織の生き物。そして、組織の論理はあらゆるところに張り巡らされている。
サラリーマン上司の言葉を額面通りに受け止めてはいけない。これは自明の理だ。それは普通の言葉というよりも、あなたに何かを伝えようとするサインに近い。上司の言葉に隠された真意を読み解けば、サラリーマン生活は快適になり、読み間違えれば地獄がまっている。
好評連載の上司語シリーズ、第2弾。今回もサラリーマン研究所の五島一三氏に「上司が使う言葉」(上司語)のホンネとタテマエを解説してもらった(以下、五島氏の解説をもとに構成)。
Q.1「後で見ておいてくれ」
上司の本音①「すぐに見て行動しろ」
上司から仕事の資料を渡されてこの言葉が発せられたら、あなたは大急ぎで今抱えている仕事を片付け、この資料に取りかからなければならない。
上司はすでに他にも急ぎの仕事をあなたに振っている手前、同じセリフが使えないだけで、この案件も大急ぎであることに変わりはない。資料を渡されたのが夕方なら、翌朝にはその資料に対する適確な反応ができなければならない。さもないと、上司の中で、あなたには負の烙印を押されることになる。
Q.2「危機感を持て!」
上司の本音②「ただ今、伝言ゲーム中(本人も無自覚な心の声)」
これは上司が頻繁に使う言葉だが、実は、あなたの上司は、その上の上司に同じことを言われており、その上の上司も、またその上の上司に同じことを言われている。もとを辿れば社長が役員や管理職に吐いている言葉だ。
社長というものは、心配事ばかりなのに、相談する相手もいない。なのに、周囲を見回すと管理職クラスが脳天気そうにしている。社長は、彼らに自分の危機感を共有して欲しいと願い、この言葉を発するのだが、脳天気にしている管理職までもが九官鳥のように部下に同じことを言うようになる。
あなたの直属の上司がこの言葉を発するころには、コトバだけが伝言ゲームのように伝わって来たという以上の意味はない。上司がこの言葉を発した時には、神妙な顔つきで聞いておけばよい。上司も、その上司の前では同じことをしているのだ。