「若者の政治無関心」はなぜ続く?美人中核派区議が語る
議員報酬は日本の労働運動に使いたい
――区議になって、何ができると思いますか?
洞口:議員だからできることは、例えば電話で(杉並区の)担当の部長に電話して、今の非正規職の割合はどれくらいかと聞くと、すぐに教えてくれる。情報がすごく入ります。また、今まで出会えなかった、いろいろな活動をしている人たち、区や行政に、国や社会に対して怒っている人たちと結びつけるようになった。議会内だけでは社会はよくならないと思っているので、議会内外で活動していこうと思っています。
――議員報酬(杉並区は月額59万9300円)も出ますよね。何割か中核派に上納する決まりなんですか?
洞口:決まりはありませんが、中核派や日本の労働運動にもいろいろありますから、その人たちのために(議員報酬を)使っていこうと思います。みんなの力で押し上げてもらったのですから!
若者の利益を代弁する政治家がいない
――一般論ですが、日本の若者は政治に無関心ですよね? なぜだと思いますか?
洞口:普段、政治の話をしない若い人たちも、残業しても手当が出ないとか、取引先でパワハラに遭ったとか、いろいろな不満を持っているはず。それらは、本当は政治の問題なのだけど、政治の問題として語ることができる政治家がいない。若い人が無関心というよりも、彼らの利益を代弁する政治家がいないから、若者はあまり政治の話をしない、というだけだと思います。
――では、洞口さんは本当に革命ができると思いますか? 支持者がいてカンパがあるから、できないと思いつつもそう叫んでいるだけ、中核派に対してそういう見方をする人もいるでしょう。
洞口:中核派の運動が大きな影響を与えられるものになっていない現状を見据えて、革命の青写真や期限を示しているわけではないし、そういうふうに言われることを受け止めなければいけないという面と、だけれども、資本主義が資本主義である限り、社会の矛盾を受ける人がいる。労働者民衆は特にそうだし、中小事業者もそうですよね。私は(革命が)できると思っています。
「天城越え」で気持ちを持ち上げる
――最後に、不安になったり、落ち込んだりすることはないんですか?
洞口:ありますよ。人間ですもん。
――たとえば、どんなときですか?
洞口:右翼だかなんだか分からないけど、ツイッターで誹謗中傷が毎日来るとか……人格攻撃とかね、“太った”とか“ブス”とかいうレベルですけど。
――そんな時に、どうやって気持ちを持ち上げるんですか?
洞口:仲間と徹底的に討論する! あとは1人カラオケで歌いまくる、石川さゆりさんの「天城越え」とか中森明菜さんや安室奈美恵さんの曲とか。毎週行きたいくらいだけど、そんなお金と暇がないんで(笑)。
<取材・文・撮影/櫻田進ノ介>
【洞口朋子】
中核派活動家、杉並区議会議員、東京西部ユニオン執行委員。1988年生まれ、宮城県出身、2008年 法政大学入学、全学連として活動。「前進チャンネル」キャスター