トランプ大統領がファーウェイを“ここまで警戒した”理由
疑惑の目にファーウェイ社長の反論は?
トランプ政権に交代して、それまでの中国への不満をトランプが一気にぶつけてきたというのだ。安全保障の面でも、ファーウェイを使うのはリスクがあるという。
「ファーウェイはスマホだけでなく携帯電話用アンテナ(基地局)も作っており、途上国を中心に世界各国で使われています。米国政府は、ファーウェイのアンテナやスマホを使うと、中国政府にさまざまな情報が流出する恐れを抱いているのです」
中国は共産党による一党独裁の国だ。中国政府から命令されたら、ファーウェイは言われた通りに情報提供するだろう。
「そうせざるを得ないでしょう。ファーウェイの仁正非社長は『データは絶対に外に出さない。出すぐらいだったら、ファーウェイを解散させたほうがマシだ』と言っているんですが、中国で共産党に逆らうことなど可能でしょうか」
次世代「5G覇権」を巡る米中の思惑
中国は個人情報やプライバシーの概念も弱い、そもそも人権に対する考え方が欧米や日本とは違うのだ。
「はい。とはいえ、実際にファーウェイにセキュリティー上のリスクがあったかというと、証拠はまだ何もないわけです。米国がファーウェイを市場から排除しようとしている理由はもうひとつあって、それは5G回線を中国に独占させないためです」
5Gとは、現行の4Gの上をいく次世代回線のことだ。
「5Gは高速、大容量、低遅延、多接続という特徴を持ち、従来の4G通信をはるかに上回る技術です。5Gの活用によって、AIや自動運転車、遠隔医療などが普及し、人間社会のあり方を変えうる潜在的な可能性を持ちます。そんな重要な技術を、世界の国々が中国に頼ってしまっていいのかという懸念があるわけです」