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女性社員の浴衣の裾に、上司の手が…社員旅行でのセクハラにゾゾッ

学び

社員旅行で起きた気持ち悪い事件

入社後ギャップ

 その数か月後に行われた温泉旅行では、おじさんたちの行動がさらに過激にエスカレート。セクハラ寸前の事態にまで至ったそうです。

「宴会の前に、専務から『僕たちはファミリーだから、お揃いの浴衣で楽しくやろうよ』と、女子社員も浴衣を着用するように命令がありました。もう1人の女性は、嫌な予感がしたらしく、旅館の人からチノパンを借りて、浴衣の下に着ていました。私もそれを真似して、Tシャツとチノパンを着用しました」

 宴会が始まると、女性の参加者は久美さんのほかに2人だけ。なのに男性社員は10人以上。またしても女性がお酌をして回らなければならない雰囲気になりましたが、久美さんは、前回の失敗を踏まえ、「今日はお酌はしない」と決めていました。

 食事が終わって、カラオケ大会が始まると、部長がねっとりとした口調で「恋バナでも聞かせてくれよ。俺も結婚5年以上だし、もうマンネリなんだよ」とすり寄ってきます。かなり不快に感じる、セクハラギリギリのラインだったそう。

「げんなりして、私はそっと会場から出ようとしました。その時、よろけた専務がぶつかってきて、私の浴衣の裾がまくれたんです。浴衣の中にチノパンを見つけると、『浴衣の下に、なんでズボン履くの? ファミリーなんだから、そんな他人行儀な格好しないで』と、浴衣の裾からチノパンを触ろうとしたんです。全員の視線が私に集まりました」

「社員はファミリー」の意識があぶない

 久美さんともう一人の女性は、急いで会場から出て、部屋に戻って、鍵をかけました。温泉旅行が終わった翌週に出社すると、先輩社員から「2~3年前から温泉旅行には、セクハラが原因で、女性の参加者がほとんどいない」と知らされたのでした。

「それだけなく、クライアントの接待時、女性の新入社員がホステス代わりになっていたこともわかりました。若手の女子社員が参加しなくなったから、私のような転職組に声がかかっていたそうです。先輩社員が私に教えてくれなかったのもショックです」

 ある転職アドバイザーの男性によれば、「入社説明会では、会社行事がたくさんあることをアピールして、あの手この手で人材をゲットしようとします。ただ、その実、パワハラやセクハラが横行している企業も少なくありません」とのことです。

 上司は本気で「社員はファミリー」と思っているのかもしれませんが、パワハラ・セクハラは相手がそう感じた時点で完全にNGです。久美さんは「入社して1年も経っていませんが早くも転職活動を始めている」と言います。「アットホーム」を売りにする会社には注意したほうがよさそうです。

特集・新入社員がおどろいた「入社後ギャップ」

<取材・文/夏目かをる イラスト/小池祐子(@ikeko322)>

コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。『週刊朝日』『日刊ゲンダイ』「DANRO」「現代ビジネス」などで執筆。
Twitter:@7moonr

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