「アットホームな職場」は危ない。求人情報の罠を簡単に見抜く方法
5月ももうすぐ終わり。そろそろ今の会社や職場の現状が分かった頃でしょう。5月病になり会社や職場に来ることに憂鬱になるというのは昔の話。「憂鬱になって会社に行くくらいなら、今の会社や職場を見切って次の会社や職場へ」というのが今の20代の常識です。
そんなとき、求人情報に「アットホームな職場です」「夢に向かって成長できる環境です」などキラキラした意識高いメッセージが書いてある企業を多く目にすると思います。ただ、ちょっと待ってください。その求人には裏があるかもしれません。もし会社に入ってしまった後に、ダマされたと思っても元には戻せません。
600社以上の人事の裏を見てきた視点から、転職先があなたに本当にあっているかを確認するコツを、新刊『「いつでも転職できる」を武器にする』(KADOKAWA)著者の松本利明氏が解説します(以下、松本氏の寄稿)。
「仲間」を強調する会社が危ない理由は2つ
退職理由の不動の1番は「職場の人間関係」。一緒に働く上司や同僚との人間関係はとても重要ですが、「仲間」を強調する会社は実は注意が必要です。考えてみてください。一緒に働く仲間は大事に決まっています。仲間を大事にしないことを売りにする会社は成り立ちません。仲間をメインに強調する会社には、2つのリスクがあります。
1つ目は売りになるものがない、2つ目は、オーナー社長と馬が合う人しかいない集団という可能性が高いです。ランチ、飲み会などで就活生と社員が集まる機会を多くし、仲良くなって「もう、ええやろ!」と口説くのがリファラル採用のコツと解説するコンサルタントもいるくらいです。
他社と比較して、会社としてのウリがない会社は、チャンスや報酬の条件が合わずに退職する確率が高い“意識高い系”ではなく、文句を言わず、普通に長く働いてくれるフツーの学生の採用がキーになります。ある採用担当者は「理屈でも条件でもなく、仲良くなることが一番」とも言っていました。ここに罠が潜んでいます。