“強烈なニオイ”でアルバイトが定着しない。職場のスメハラ被害者の嘆き
ニオイのせいで思わぬ弊害も……
強烈なニオイが漂う環境の職場だけに、それを耐え抜けるタフな人材が、なかなか集まらないようです。
「電話番や、おつかいを頼むアシスタントのアルバイトが定着しなくて万年、人手不足です。アルバイトの面接は、他のフロアでやるので、いざ働くとなって、ようやく気付くんです。えらい場所に来てしまったなと(苦笑)。
なかには無言のアピールのつもりか、こまめに窓を開け、換気する人もいるんですが、デリカシーは皆無ですから、もちろん他の人は気づきません。アルバイトが辞めたあと、こっそり聞いてみると、大半が『ニオイがきつかった』と言いますね」
深瀬さん自身は環境を改善するために、何度も“ニオイの発信源”たちに訴えかけたそうですが、一様に自分のニオイじゃないって言い張られたそうです。
「ニオイの責任転嫁ですね。高齢化が進み鼻が悪くなっているのか、慣れて耐性を得たのか……。会社の偉い人に言っても変わらなかったので正直もうあきらめモードです。
とにかく気を付けているのは、こんな環境にどっぷり漬かって自分がニオイの発信源になること。最近では疑心暗鬼になりつつあり、彼女や友人に自分から『臭くないよね』って何度も聞きいています」
ニオイが改善しない悪循環とは?
深瀬さんは職場の状況をこう冷静に分析します。
「ブロークンウィンドウ理論(割れた窓を放置していると他の窓も割られやすくなるという理論)のように、フロア全体が汚いからどんどんだらしなくなっているのかもしれません。
なので、不必要なものは捨て、整理整頓をしっかりすれば多少は意識が変わるかもしれません。もっともそんな面倒なことを押し付けられる前に転職するつもりですが……」
ニオイという目に見えないものだからこそ、発信源の理解も得られにくく、改善に向かいにくいという実情があるのかもしれません。
もうすぐ梅雨の季節もやってきます。あなたも気づかぬうちに“ニオイの発信源”にならないよう、日頃の対策を見直してみてはいかがでしょうか。
― 新入社員の身だしなみ、大丈夫? ―
<取材・文/蒲須坂正男 イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>