JR西日本、新快速「有料座席」に乗車してみた。4つの課題点も
京都駅からAシートの“争奪戦”と化す
京都に到着すると、ホームの9号車乗車口では警備員がプラカードを掲げ、外国人に有料座席Aシートを案内する。「大型荷物置き場あるので、ぜひ乗ってください」ということなのだろう。
新快速は京都―大阪―神戸間の乗車率が高く、Aシートはついに満席。トイレ側のデッキに乗客1人立つ状況となった。次の停車駅に到着する際、隣の10号車も覗けるので、そのときなら空席を見つけることができる。
京都で父子が乗り、父親は私の隣、男児は向かいの通路側席へ。運よく離ればなれにならずにすんだようだ。この父子は福知山線沿線にお住まいのようで、当初は大阪で各駅停車新三田行きに乗り換えるつもりのようだったが、乗車整理券購入時、降車駅に尼崎を選択。乗り換えは、同一ホームから隣のホームとなり、手間が生じるが、Aシートの魅力が勝(まさ)ったのだろう。
京都を発車すると、一段と速くなる。新快速の最高速度は130km/h。草津―西明石間は複々線ということもあり、内側を走る各駅停車などをバッサリ追い抜く姿は痛快だ。
その一方で、新快速の乗車率があがり、米原・近江今津―姫路間は、一部を除き12両編成化された。快速のダイヤを見直せば、京都―大阪間だけでも新快速の混雑緩和につながると思う。しかし、色々とやりくりがつかないのか、現在も同区間は新快速が先に到着する。
吹田を通過すると「開かずの踏切」の跡地を発見
車掌2人は、前後のデッキに立ち、客室を監視している。これならば防犯カメラはいらないし、大型荷物置き場に入れた荷物が盗まれる心配もないので、乗客は安心して、快適に過ごせる。
高槻で立席の乗客が1人増加。吹田を通過すると、3月16日のダイヤ改正で延伸開業した、おおさか東線と合流し、東淀川を通過。この駅は昨年11月11日から橋上駅舎化され、併せて、前後に位置する南宮原踏切、北宮原第1・2踏切が廃止された。
当該踏切は旅客線と貨物線を合わせ8線敷設。踏切の横断長が約50メートルもあり、「開かずの踏切」となっていた。宮原第1・2踏切は旅客線と貨物線のあいだに“待避スペース”があるのに対し、南宮原踏切は踏切の警報音が鳴ったら、一気に渡り切らなければならない難所だった。
橋上駅舎化により、、自分のペースで渡れるスロープや自由通路が設けられたことは、大きな福音であろう。
大阪に到着すると着席・立席の乗客が最多に
新大阪に到着すると、9号車の乗務員室側のデッキで乗客5人が立つ。ここで着席できたのは1人で、発車後、車掌がにこやかな表情で乗車整理券を発売していた。
淀川をOsaka Metro 御堂筋線の10系とともに渡り、大阪へ。ここで約10人降り、乗務員室側のデッキで空席を待っていた乗客5人が席にありつく。Aシートは“早い者勝ち”なので、乗客の表情に余裕がない。ここではトイレ側のデッキで約10人立ち、Aシートの乗客は着席、立席も含め、最多となった。