コンサル業界の合否を分ける「ケース面接」の対処法
結論は実際の数値と合ってないとダメ?
このように、推定しやすい要素に分解し、最終的に出したい答えに到達するのがフェルミ推定という思考法です。
このフェルミ推定型のケース面接のポイントは、いかにヌケモレ・ダブりがなく、聞き手が納得しやすい粒度で要素分解を行えるかです。
なお、転職希望者や就活生からは「フェルミ推定で回答する数値が合っているか不安」という懸念を聞くことがありますが、実際の数値と本当に合っているかはそれほど重要ではなく、すでに説明した要素分解ができているかが評価の中心です。
ケース面接「ビジネス・ケース型」の回答法
さきほどのフェルミ推定型は、ある数値の概算をするという問題でした。これに応用を利かせ、特定のビジネスの課題(売上や利益の向上、費用の削減など)を解決するにはどうしたらよいかと質問されることがあります。
例えば、ニュースで話題となっている企業の立て直し、受験者の馴染みの飲食店、受験する会社の売上の向上、通っている大学の経営などについてです。わかりやすい例として「飲食店の利益を向上するための施策を述べよ」という例で説明します。
このようなケースであれば、利益をまず売上と費用に分解します。売上はさらに客数と客単価に分解することが可能です。客数は来店客数と購入率にさらに分けられます。このように分解したうえで、伸びしろ、費用対効果、または実現性が見込める要素を特定し、さらに改善案を策定します。
例えば数年前から流行っている「ちょい飲み」は、面接官からすれば新規性を感じないかもしれませんが、酒類を扱っておらず、かつビジネスマンが立ち寄る立地の店舗であれば、客単価も客数も伸ばせる施策のひとつとして使えるでしょう。
ビジネスが成り立つ要素を習慣的に考えよう
短い時間で要素を分解し、改善案もある程度、納得できる内容にするには、普段からさまざまな業界のビジネスを構成要素に落とし込んで考えていることが重要です。紹介した飲食店は比較的想像しやすいビジネスモデルですが、「BtoB」などの馴染みが薄い業界を聞かれる場合もあります。
電車の車内広告やニュースを見たときに、ビジネスモデルの要素分解を心がける。気になった企業、知らない業界については有価証券報告書などに目を通し、どのような要素によってビジネスが成り立っているのかを理解するなどの積み重ねが結果につながります。
加えて、面接では実際に計算をする場合も多いので、ある程度の計算には慣れてないと短時間で回答までたどり着けません。やはり普段から計算も含めて習慣的に練習しておくべきです。
以上、コンサルティング業界の就職活動におけるポイントについて説明してきました。筆記試験に加え、ケース面接対策も必要になるコンサルティング業界は準備が大変ですが、日頃からの訓練が結果につながります。
<TEXT/KT Total A&C firm>