コンサル業界の合否を分ける「ケース面接」の対処法
経営者目線で仕事ができる、経営のイロハを学べることを期待してコンサルティング会社に入社する方々がいます。
学生に人気の就職先、コンサルティング業界の意外と知らない事実を教えるこの連載。
前回は、コンサルティング業界への就職活動のうち、エントリーシート(以下、ES)を書く際のポイントについて述べました。今回は続いて面接について紹介します。
【第10回】コンサル業界の就活ポイント(面接編)
コンサルティング業界の面接の形式は、
①面談形式の面接
②ケース面接
に分けられます。
面談形式の面接とは、ESや志望動機に関する質疑応答がメインの一般的な面接です。質問の内容は他の業界とあまり変わりないでしょう。ただし、前回のESに関する記事でも述べたように、やはり簡潔に「結論」から「理由」の順序で受け答えするのが重要です。
一方、ケース面接は、業界特有の面接であり、例えば「表参道駅の1日の利用者数」などを短時間で概算する「フェルミ推定型」。そして、「○○社(誰もが知っている企業)の立て直しを提案してください」など特定の課題の解決を求められる「ビジネス・ケース型」があります。
就活における評価の比重も大きいため、それぞれしっかりと対策することが必要です。ここからは、一般に対策が立てづらいとされるケース面接の「フェルミ推定型」と「ビジネス・ケース型」について詳しく見ていきましょう。
ケース面接「フェルミ推定型」の回答法
フェルミ推定型の問題では、例えば、「表参道駅の1日の利用者数を求めてください」などのお題を与えられ、5~10分程度で回答および説明を求められます。
回答方法はひとつではありませんが、実際に筆者がこの問題に回答した例で説明します。
まず、「電車1本あたりの(最大)乗車可能人数」「1日あたりの運行本数」、それから「電車1本あたりの平均混雑率」 の3つの要素に分解します。これらの要素をそれぞれ重ね合わせれば、「表参道駅の1日の利用者数」の概算が見立てられます。
そして、さらに「電車1本あたりの(最大)乗車可能人数」は「車両数」と「1両あたりの乗車可能人数」に分けます。
この段階までくれば「車両数」は、「電車1本は8~12車両だろう」といった記憶、もしくは常識からだいたいの数値を推定できます。「1両あたりの乗車可能人数」も、記憶にある席数をベースに座れる人・座れない人に分けておおよその人数を言い当てることができます。