千代田線北綾瀬駅に「10両編成ホーム」誕生。40年ぶりの出発式に行ってみた
東京メトロでは、千代田線北綾瀬駅の改良工事を進めており、一部が完成。2019年3月16日のダイヤ改正から供用が開始された。既設駅のホームドアの設置も含め、千代田線の未来に向けた大事業といえよう。
東京メトロの山村明義社長によると、北綾瀬駅開業前は、回送列車が綾瀬車両基地へと入出庫を行なう信号所として整備されたという。そして、 記念式典では「将来、周辺の開発状況に併せて、(北綾瀬)駅が設置できる構造で建設しております」と語った。
千代田線の分岐線として開業した北綾瀬駅
その後、北綾瀬駅近辺の住宅開発が急速に進んだことから、営団地下鉄(東京メトロの前身)は1979年2月に北綾瀬駅の建設に着手。
1979年12月20日、回送線を旅客線化するカタチで、北綾瀬―綾瀬間の分岐線が開業。本線(綾瀬―代々木上原間)への直通を想定しない3両車で運転された。一方、本線用の10両車は、引き続き回送列車として運転されてゆく。
時代は21世紀に入り、分岐線は2002年3月23日からのワンマン運転化が決まった。これに伴い、2月15日からホームドアの使用を開始。さらにATO(Automatic Train Operation device:自動列車運転装置)も導入された。
千代田線のATOは、2018年3月24日から本線にも導入され、2018年度からホームドアの設置が進められている(注、同年秋に引退した6000系10両車、特急ロマンスカーにはATO車上装置が搭載されていない)。
千代田線、新たに発生した2つの課題とは?
近年、綾瀬、北綾瀬の乗降客数が右肩上がりとなり、2つの課題が発生した。
・分岐線の朝ラッシュ時は、旅客列車と回送列車が一部で同じ線路を使うため、1度でも列車に遅れが発生すると、ほかの列車にも遅れが波及してしまっていた。
・北綾瀬からの列車が綾瀬0番線に到着すると、北千住方面1・2番線の列車に乗り換える乗客の多くは、移動距離が短い後方の車両を選択するため、車内が混雑しやすい状況になっていた。
これらの課題を解消するため、北綾瀬のホーム有効長を10両編成分に延ばし、本線と分岐線の直通運転化により、綾瀬のホーム上における混雑緩和、利便性の向上を図ることになった。