会社に頼れない今、20代から「老後のために」準備できることは?
複業には大きく3つの「型」がある
西村:複業には、ユーチューバーやブロガー、ガーデニングなど自分の“好き”を仕事にする「趣味型」、そして将来的に独立を考えつつも、まずは週10時間くらいからのミニマルな感じでスタートする「起業型」、これまで本業で培ってきた経験・スキル・ノウハウ・人脈を駆使する「プロ型」、と大きく3つに分けられます。
矢部:とはいえ、起業したいことや仕事につなげたい趣味が明確にある人は少ない気もします。
西村:複業というと本業とは異なる新しいビジネスをゼロから始めるというイメージがまだ強いですが、やりたいことが明確にあるわけではないけど複業には興味があるという人は、本業の延長になるような仕事を選ぶのがよいと思います。
アパレルスタッフがファッション指南のSNS運用
西村:僕自身も、リクルートで営業だったサラリーマン時代、複業として、これからの働き方について考えるコミュニティメディアを立ち上げてPVを稼いだことで、新規事業開発部に社内ヘッドハントされたことがありました。
矢部:あくまで複業として始めたことが本業に好影響を与えることもあるわけですね。
西村:アパレルスタッフが本業とは別でファッション指南のSNSを立ち上げるとか、保育士さんが子育ての悩みを共有するイベントやコミュニティを立ち上げるとか、本業の専門性を生かした複業ってどんどん増えています。それにたとえ今、自分がやりたいことがわからなくても、客観的な視点から自分を見てもらうことで気づくことも多いんです。
矢部:具体的にはどのような?
本業以外に稼ぐ道をつくって老後に備える
西村:例えば、小さいころから朝5時に起きる習慣が身に染み付いていた人が、朝活を専門に手がけるコンサルタントになって成功した例もあります。
矢部:わかりやすい資格や派手なビジネスモデルでなくても、今から本業以外に稼ぐ道をつくって老後に備えることはいくらでもできるんですよね。
西村:収入の一部を資産運用に回して老後に備える人は多いですが、今まで培ってきたキャリアは、お金同様に資産なんです。金融資産の運用と同様に、“資産としての自分”を今のうちからどう運用し、レバレッジを利かせて老後の生き方・働き方に備えるかが大事だと思います。