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斎藤工、「出会うべくして出会った」世界的な映画監督との仕事

暮らし

松田聖子さんの声は本当に素晴らしい

――この作品では松田聖子さんの存在も大きかったと思いますが、ご一緒されてみていかがでしたか?

斎藤:聖子さんがエリック監督からのオファーを快く引き受けたとうかがって、クリエイターに対してのアンテナの張り方や行動力が本当に素晴らしいと思いました。

 とはいえ、僕らからすると、「松田聖子」という巨大な看板をつい意識してしまいがち。でも、本読みで第一声を聞いた瞬間、氷が解けるような感覚に陥り、すべてを委ねようとしている自分がいることに気が付きました。

クー監督:僕は撮影の前から、「工と聖子さんの2人がいればこの映画は成功する」と本能で感じていたよ。それにしても、彼女の声は本当に素晴らしい。僕も本読みのときにすっかり魅せられてしまったよ。とはいえ、実は10代の頃から彼女の大ファンだったこともあって、最初にお会いしたときは緊張と怖い気持ちでいっぱいだったんだ(笑)。

聖子さんを通してアジアが繋がっていると感じた

斎藤工

斎藤工さん

クー監督:しかも、シンガポールでは日本と違って贅沢な環境ではないし、暑さが厳しい現場。かなり大変だったにも関わらず、彼女は何ひとつ文句を言うことなく、最後まで女優としてプロフェッショナルでいてくれてそれにも感激したよ。

斎藤:僕も撮影の最終日は一緒でしたが、撮影が終わった途端にスタッフ全員が自宅から持ってきていたCDやカセットを聖子さんに差し出していて、サイン会みたいになっているのを見ていました(笑)。

 でも、聖子さんはみなさんを優しく包み込むように丁寧に対応されていたので、それは美しい景色でした。聖子さんを通してアジアが繋がっていると感じる瞬間でした。

<取材・文/志村昌美 撮影/山川修一>

映画宣伝マンを経てライターに転向し、海外ニュースや映画紹介、インタビューなどを中心に執筆。Twitter(@masamino_19

【公開情報】
家族のレシピ』は3月9日よりシネマート新宿ほか全国ロードショー
配給:エレファントハウス/ニッポン放送
(C)Wild Orange Artists/Zhao Wei Films/Comme des Cinemas/Version Originale

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